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読谷山市長「再議」を申し入れ

本紙掲載日:2023-07-08
1面
減額修正議決された2023年度一般会計補正予算に対する再議の理由を報道陣に説明する読谷山洋司市長

空飛ぶクルマ/災害に強いネットワーク構築事業

◆11日に臨時議会を招集−延岡市

 7日閉会した延岡市議会6月定例会で「『空飛ぶクルマ』も見据えた新たな救急搬送体制づくり事業」と「平常時・災害時共通災害に強い地方創生ネットワーク構築事業」の2事業費計3億123万円を削除した2023年度一般会計補正予算の減額修正案が可決されたことに対し、読谷山洋司市長は同日、議会に審議をやり直す「再議」を申し入れ、11日に臨時議会を招集することを決定。「歴史・文化ゾーン内駐車場管理システム等整備事業」は再議できないと判断した。

 削除となった2事業をめぐっては6月30日の予算審査特別委員会に続き、最終本会議でも賛否それぞれの立場から激しい討論を展開。「実現可能性や必要性について十分な理解が得られていない」とする修正案が賛成多数で可決された。

 一方、市は3月に国から両事業に関連する「デジタル田園都市国家構想交付金事業」(95%財政支援)の採択を受け、すでに慶應義塾大学や旭化成、宮崎大学、県立延岡病院、市医師会などと連携した各種調査・研究、システム構築に向けた協議にも取り組んでいる。

 このため、読谷山市長は「今年度中にシステム運用を開始できなければ交付金の支援対象から外されることも懸念される」「市民の命と暮らしを守るためには2事業の予算案は今月中の可決が必要」などと主張。議会に対しても説明は尽くしたとして、「『時間が必要』という主張に根拠はなく、到底容認できるものではない」と松田満男議長らに再考を求めた。

 否決となった「駐車場管理システム事業」についても再議を検討したが、同予算案は他の補正予算と一体ではなく単独で追加提案した議案(補正2次)だったため地方自治法上、否決された場合は再議できないことを確認。今後、再提案する意向を示した。

 再議を含め5回目の提案となった同事業案については、予算審査特別委が「可決すべき」とした結論が本会議採決で覆る前代未聞ともいう事態が発生。その背景について議員の一人は、市が募集した同事業に対するパブリックコメントで否定的な意見が大半だったことが影響したとして、「市長は『市民のための事業』というが、パブコメの厳しい意見を無視することはできない。事業費の積算についても議論が尽くされていないということではないか」と語った。

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