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児童虐待過去最多2019件

本紙掲載日:2023-07-21
1面

両親からが全体の90・8%−県内

 県内3カ所の児童相談所による昨年度の児童虐待対応件数が、過去最多となる2019件(前年度比176件増)だったことが県のまとめで分かった。県は「こども家庭センター」の設置を市町村に促すなどして、虐待を防ぐ体制を強化するとしている。19日に開かれた厚生常任委員会で示した。

 こども家庭課によると、子どもの見ている前で夫婦間で暴力を振るうなどの面前DV(ドメスティック・バイオレンス)や極端な無視などの心理的虐待が1119件(209件増)で最多。次いで身体的虐待511件(68件減)、ネグレクト364件(35件増)、性的虐待25件(増減なし)だった。

虐待したのは実母が967件、実父が867件で、両親が全体の90・8%を占めた。虐待を受けた子どもは7〜12歳が34・1%と最も多く、3〜6歳25・4%、3歳未満21・7%、13〜15歳13・7%、16〜18歳5・1%と続いた。

 相談を受けた経路は、DVの通報増加に伴い、警察からの通告が前年度比210件増の940件で46・6%を占め、近隣と知人が12・9%だった。子どもの安全確保のための一時保護は、同比73件減の342件実施した。

 県は相談方法の周知が進み、関係機関による通告の徹底が図られたことなどが増加の要因とみている。今後は虐待防止に向け、妊産婦や子育て世帯などを包括的に支援する「こども家庭センター」の設置を市町村に促すとしている。

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