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県内213人、全国で3番目

本紙掲載日:2023-08-23
1面
延岡市自殺対策協議会

自殺対策に連携強化−延岡市自殺対策協議会

◆問題点を共有−地域力向上へ

 延岡市自殺対策協議会(会長・児島典子健康福祉部長)は22日、延岡市役所講堂で会合を開き、関係機関による市内や県内の自殺の現状の共有と、対策のための連携強化を図ることを確認した。

 報告によると、2022年の県内の自殺者は213人で前年から6人増加。女性の自殺者数は48人で8人減り、男性は165人で14人増えている。ピーク時(2007年)との比較では46%減となった。人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)は20・4人と前年から0・8人増加。九州で最も高く、全国でも3番目に高い数字となっている。

 年代別で見ると、男女ともに70代の増加が顕著となった一方、女性の80代が大幅に減少。職業別では無職者、有職者、学生・生徒等の順に多く、無職者の内訳では年金・雇用保険等生活者の割合が最も高かった。

 自殺の原因、動機としては健康問題の割合が高く、中でもうつ病をはじめとする精神疾患が全体の約6割を占めている。

 また、2022年の延岡市の自殺者数は19人(男16人、女3人)。自殺死亡率とともに2010年以降は増減を繰り返しながら減少傾向にあったが、近年は横ばいで推移。特徴としては、60歳以上の無職男性の割合が高くなっていることが示された。

 市は、子育て世代包括支援センターを拠点とした産後うつや新生児虐待等の予防を図る活動、自殺対策を支えるゲートキーパーの養成講座開講のほか、図書館や市役所市民スペースでのパネル展示、「のべおかこころの電話帳」の全世帯配布といった自殺予防に関する取り組みを紹介した。

 会場ではこのほか、市の第2期自殺対策行動計画(2019年策定)に続く次期計画のためのスケジュールが発表された。今年度の9〜10月にかけて16歳以上の市民4千人(無作為抽出)へのアンケート調査を行うほか、来年度は策定のための推進会議および市自殺対策協議会を1〜2回開催する予定となっている。

 出席者は、延岡において産婦人科医と精神科医の連携による産後うつへの対応が進んでいることや、コロナ禍明けの高齢者のメンタルヘルスケアの重要性など、現状と問題点を共有。自殺予防のため官民各機関の綿密な連携による地域力向上を図っていくことを確認した。

 同協議会は市の対策を総合的に推進することを目的に、自殺対策基本法に基づき2020年に発足。県を含む市内の行政や医療、保健、福祉、教育、農商工など19機関の代表21人が委員を務め、自殺の実態把握や防止知識の普及啓発、情報交換・連携などに関して協議し、地域の実情に応じた自殺対策を推進している。

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