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延岡城を3Dで復元−延岡市と連携協定

本紙掲載日:2023-08-24
1面

三桜電設が自社技術で取り組み

 延岡市および市教育委員会と三桜電設(甲斐雄二代表取締役)=川原崎町=は23日、「延岡城3D復元プロジェクト」に関する連携協定を結んだ。3者が有する資源や技術を生かし、三桜電設が主体となって延岡城の3次元(3D)復元画像やモデリング画像などのデータ「延岡城跡復元3D―2025」を作成する。

 三桜電設は昨年9月、地域貢献活動の一環として、自社が持つデジタル技術を生かした延岡城の3D画像の提供を延岡市に打診。画像作成のための測量において、協力する同市の関係課室が複数にまたがることから今回、連携協定を結ぶことになった。

 締結式は市役所災害対策本部室で行われ、松田満男市議会議長立ち会いの下、甲斐代表取締役と読谷山洋司市長、澤野幸司教育長が協定書に署名。3者は、延岡城跡や延岡城・内藤記念博物館に保管されている二階櫓(やぐら)・三階櫓の木造模型等の測量、復元画像やモデリング画像の作成、測量データの管理・使用、資料利用の許諾などで連携する。

 三桜電設によると、事業は同社が主体となり、市や市内事業者、延岡工業高校(機械科・土木科・電気科)、延岡史談会などとの「官・産・学・民」協力体制で実施。今後、参加希望者の公募を行う考えもあるという。

 事業期間は2025年3月までの2年間を想定。3Dレーザースキャナーや測量器などを用いて城山城跡の点群データと二階櫓・三階櫓の3Dモデルを作成し、それらを融合して延岡城全体の3Dデジタルデータ(カラー画像)を完成させる。また事業進行度から可能であれば、VR(バーチャルリアリティー)動画の制作も行うとしている。

 完成した「延岡城跡復元3D―2025」は、歴史教育や観光PR、災害復旧などで活用される見込み。甲斐代表取締役は「私たちの技術を何かに役立てたい、(参加が決まっている延岡工業高校生ら)若い世代に3Dという新しい技術をうまく利用して仕事につなげてもらいたいという思いがある。皆さんに最先端技術に触れてもらいながら、満足できるデータに仕上げていければ」と意気込みを語った。

 読谷山市長は「最先端の技術を生かした産業振興、市民の心のアイデンティティー確立の両面から大きな意義のある協定。全面的に協力したい」、澤野教育長は「現在編さんに取り組んでいる市史に対して市民により興味を持ってもらえるようになるのではないか。高校生らの教育面にも結びつく事業であることも大変ありがたい」と感謝を示し、成果に期待を寄せた。

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