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希少植物の宝庫−五ケ所高原で観察会

本紙掲載日:2023-08-30
1面

ゴマ姫の草原を守る会−高千穂

 標高約800メートルに位置する高千穂町五ケ所の五ケ所高原三秀台ひめゆり公園で27日、希少植物の観察会が開かれた。町内外から約15人が参加し、爽やかな風吹く草原に自生する夏の野花を探し回った。主催は五ケ所高原ゴマ姫の草原を守る会(甲斐英明会長)。

 五ケ所には、県内で確認されている植物約3000種のうち842種が分布しており、172種が県の絶滅危惧種に指定されている。観察会は、それら植物の観察を通じて五ケ所のファンを増やそうと初めて企画。県総合博物館の副館長などを務めた斎藤政美さん(70)を講師に招いて行われた。

 この日は、薄雲で日差しが和らぐ観察日和。斎藤さんの先導で公園を歩くと、色とりどりの花々が次々と見つかった。

 独特なにおいを放つオミナエシや直径2、3センチの車輪型をしたホソバオグルマ、穂状の花が水引を思わせるキンミズヒキは鮮やかな黄色、紫色のコバギボウシとツリガネニンジンは、それぞれラッパと釣り鐘に似たユニークな形状が目を引く。

 サワヒヨドリは、茎先に桃色の小さな花をたくさん咲かせるのが特徴。ホソバシュロソウは草原に映えるチョコレート色の花を咲かせ、通常のシュロソウと比べて葉幅が狭く、花柄が長い。葉にノコギリのようなふちが見られる九州固有のアソノコギリソウは、素朴な白い花弁が愛らしい。

 名前の由来や見分け方、毒性の有無といった解説を熱心に聞いていた60代女性(同町上野)は「見たことはあるけど、詳しく知らない植物が多くて楽しかった」と笑顔。斎藤さんは「地元にどんな植物が生息しているのかを肌で感じ、自然を大切にする気持ちを高めてほしい」と話した。

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