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「幻の小峰焼」出版

本紙掲載日:2023-10-05
1面
泰田久史さんの著書

延岡出身陶芸家・泰田久史さん

◆ふるさとの宝掘り起こす

 延岡市出身で宮崎市在住の陶芸家泰田久史さん(59)が、調査・研究を続けている「小峰焼」についてまとめた著書「幻の小峰焼(延岡内山焼)地域創生と教育・保育の視座」を出版した。B6判の文芸書サイズ。1500円(税込み)。

 小峰焼は、延岡市南方の小峰町内山地区で、18世紀から19世紀の間に開かれた窯で始まったと推定されている。絶えて久しく、地元にも知る人の少ない「幻」の存在だったが、2009年に同町在住の郷土史家・甲斐盛豊さんと出会ったことで、泰田さんもその存在を知ることになった。

 さらに、甲斐さんが発見した陶工の墓や焼き物用の土を採取したとみられる場所をたどりながら、謎に包まれていた小峰焼の実態に、二人三脚で近づいていく経緯を紹介。

 焼き物の土や釉薬(ゆうやく)を研究し、小峰焼を再現・復活させるまでのほか、陶芸という〃ものづくり〃を通した教育の可能性についても触れている。

 「ふるさとの小峰焼に光を当てることで、人々が興味を失いがちな地域の宝を掘り起こし、再び光を当て、未来に生かしていける視点を入れたいと思いました。時間はかかりましたが、何とかまとめることができて良かったと喜んでいます」と泰田さん。

 同書には、県立美術館や内藤記念博物館に収蔵されている出土した小峰焼や、泰田さんが復活させた新たな小峰焼の作品の写真もふんだんに盛り込まれている。

◇出版記念の作陶展7〜9日に延岡で

 泰田さんの作陶展は7〜9日、延岡市東本小路の野口遵記念館フリースペースで開催される。

 会場で同書を購入した人(先着50人)には、泰田さん手作りの小峰焼湯飲みをプレゼントする。

 8日午後1時半からは「小峰焼と地域創生の未来」をテーマに泰田さんと甲斐さん、読谷山洋司市長によるスペシャル・トークセッションがある(入場無料、予約不要)。

 作陶展の開場時間は午前10時から午後6時まで(最終日は同5時まで)。

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