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最新のCT検診車を配備−県健康づくり協会

本紙掲載日:2023-10-17
1面

肺がんの早期発見に期待

 県健康づくり協会(菊池郁夫理事長)に先月、最新の低線量肺がんCT検診車「日向1号」が配備された。搭載するCT装置は高精細な撮影が可能で、肺がんなどの早期発見・早期治療につながることが期待される。24日から県内を巡回する予定で、協会は検診受診を呼び掛けている。

 日向1号は全長約11メートルで、車椅子対応のリフト付き。最新CT機器の搭載により、低い放射線量で5ミリ間隔の高精細な断層像が高速で撮影できる。そのため、肺がんの発見率が平面画像での診断より3、4倍高まるほか、感染症による炎症などの兆候も検出可能という。

 協会保有の同検診車2台のうちの2004年2月に導入した1台で、老朽化が進んで故障がちになり更新。JKA競輪公益資金の補助を活用し、9636万円で整備した。今後は同検診車2台に加え、X線撮影機器を搭載した胸部デジタル検診車や胃がん検診車など計18台で県内を巡り、県民の健康増進を支える。

 今月12日には同協会(宮崎市霧島1丁目)で新検診車が披露され、菊池理事長が「県民の皆さまの健康づくり向上のため、安全かつ有効に活用することを誓う」とあいさつ。CT機器や車体を製造した企業の代表者らとともにテープカットを行い、配備を祝った。

 協会などによると、2021年度の肺がん発見率は、胸部X線検査などによる検診が0・05%に対し、低線量肺がんCT検診は0・13%と高い。本県の同年度の肺がん死亡者数は658人。喫煙量が多く、開始年齢が若いほど発生リスクが増すという。

 市町村からの依頼による巡回は、今月24日のえびの市からスタートする。年間1万3000人の検診に使用する見込みで、県北では延岡市で29日と11月29日に予定している。対象者は原則50歳以上だが、検診実施主体から特に依頼がある場合はこの限りではない。事前申し込みは必要。

 同協会は「一般的にがんは発見が早いほど治り、遅れるほど治療が困難になる。低線量肺がんCT検診は、従来の検診より早く見つかるとされ、約13秒ほどの息止めを2、3回するだけの簡単な検査。県民に幅広く精度の高い検診を提供し、早期発見・早期治療につなげることで、県民の皆さんの健康管理に貢献したい」としている。

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