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夜神楽いよいよ本番間近

本紙掲載日:2023-11-04
1面
天岩戸神社で開かれた「天岩戸夜神楽三十三番大公開まつり」(3日)

天岩戸夜神楽三十三番大公開まつり−高千穂町

 夜神楽シーズンの始まりを告げる「第62回天岩戸夜神楽三十三番大公開まつり」が3日、高千穂町岩戸の天岩戸神社(佐藤永周宮司)であり、見物客でにぎわった。主催は天岩戸夜神楽まつり(土持耕典会長)。

 夜神楽は、氏神を「神楽宿」と呼ばれる民家などへ招き、秋の収穫への感謝と翌年の五穀豊穣(ほうじょう)を祈る伝統神事。高千穂町では11月から2月にかけて、31保存会の奉仕者(ほしゃ)が夜を徹して33番の舞を奉納する。

 神事の後、岩戸地区の奉仕者らでつくる天岩戸神楽保存会が、国指定重要無形民俗文化財「高千穂の夜神楽三十三番」を奉納。彫(え)り物や御幣、しめ飾りなどを張り巡らせた斎館の神庭(こうにわ)で荘厳な舞姿を披露した。

 また、最も重要とされる式三番「神降(かみおろし)」「鎮守(ちんじゅ)」「杉登(すぎのぼり)」のうち、神鎮まりの舞「鎮守」を地元の子どもたちが舞い、見物客を感嘆させた。

 友人の誘いで初めて鑑賞した日向市の吉川勇治さん(58)は「ずっと気になっていて、ようやく見ることができたので満足しています。神聖な雰囲気に心が洗われるようでした」と話した。

 同まつりは1961年、神楽の継承と奉仕者の修練などを目的にスタート。毎年「文化の日」に実施する恒例行事だが、祝日勤務や少子高齢化の影響も相まって奉仕者の参加数が減少していた。そこで来年から、開催日を11月の第1日曜日とすることが決まっている。

 土持会長(77)は、日程変更に伴う奉仕者の参加増に期待を寄せ、「高千穂の宝である夜神楽を大勢で舞い、地域一丸となって継承への機運を高めたい」と力を込めた。

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