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4年ぶり、県北短歌大会

本紙掲載日:2023-11-07
8面

延岡市長賞−河野正さん

◆「風紋の浜を駆ければポケットのカスタネットの貝殻鳴れり」

 2023年度延岡市文化祭協賛「第76回県北短歌大会」は4日、同市社会教育センターであり、最高賞の延岡市長賞に河野正さんの作品「風紋の浜を駆ければポケットのカスタネットの貝殻鳴れり」が選ばれた。主催は、同大会実行委員会(実行委員長・越智理恵子県北短歌会長)。

 選者や受賞者ら約25人が出席。越智実行委員長は、コロナ禍で3年間休会したが、会員らの尽力で再開できたことに感謝した。その上で、健やかであればこそこうして交流できるとの喜びを込めた若山牧水の一首を紹介。「芸術の秋にふさわしく、意義深く、楽しく短歌の勉強に精進していきましょう」とあいさつした。

 来賓で県歌人協会の杉田一成会長は「本大会が皆さまお一人お一人にとって掛け替えのない時になれば」。市文化連盟の松田和己会長は「コロナ禍がようやく落ち着き、再び皆さんの活動が活発に行われれば」とエールを送った。

 歌評では、杉田会長、九鬼勉さん(延岡市立図書館短歌会代表)、越智実行委員長が、投稿があった中から30首すべての詠草について感想を述べ、良い点や改善点などを解説。この後、市長賞、延岡商工会議所会頭賞、藤井基礎設計社長賞、市文化連盟会長賞など協賛社賞10首と選者賞3首の受賞者を評した。

 県北短歌大会は戦後間もない1947(昭和22)年、まだ焼け野原が残る中で越智実行委員長の両親の越智渓水・清子夫妻らによって始められた。渓水氏は郷土の歌人・若山牧水の直弟子としても知られる。

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