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県北定住自立圏共生ビジョン懇談会

本紙掲載日:2023-11-09
1面
県北定住自立圏共生ビジョン懇談会

安心な暮らし実現へ−次期5カ年計画で意見交換


 延岡市と周辺8市町村が協定を結んで策定した県北定住自立圏共生ビジョンの2023年度第1回懇談会(会長・黒須依子九州保健福祉大学准教授、委員30人)は6日、延岡市役所で開かれ、24年度からの5カ年計画案について意見を交わした。

 定住自立圏は、人口減少や少子・高齢化に直面する中心市の延岡市と近隣市町村(日向市、門川、美郷、高千穂、日之影、五ケ瀬町、諸塚、椎葉村)が役割分担し、安心して暮らせるよう、全体として必要な機能を確保する枠組み。同ビジョンで県北地域が目指す将来像や、その実現に向け取り組むべき事項を示している。

 県北圏域は2009年3月に延岡市が中心市を宣言し、翌年に共生ビジョンを作成。生活機能の強化(地域医療、産業振興、福祉など)、結びつきやネットワークの強化(高速交通網・ICT基盤整備など)、圏域マネジメント力の強化(人材育成、外部人材活用など)の3分野を柱とする42事業に取り組んでいる。

 ビジョンは毎年、進捗(しんちょく)状況を検証しながら内容を修正し、おおむね5年ごとに刷新。次期計画案では基本目標の中に県立延岡病院の医師数や児童人口(0〜5歳)、新規雇用者数、CO2排出量削減目標、九州中央自動車道の整備率など具体的な数値目標を盛り込むことにした。

 また、柱とする政策分野の中身にも「教育」「環境」「防災」など新たな項目を追加。取り組むべき事項も、「『空飛ぶクルマ』も見据えた新たな救急搬送体制づくり」「病児・病後児保育」「一時預かり」「奨学金返還支援企業助成」「省エネ・再エネ設備導入」など8事業を追加するなどして、計48事業に拡大することとしている。

 懇談会で委員らは次期計画案について、「空飛ぶクルマ」関連事業について「今後も市民へ丁寧に説明してほしい」、医療資源の減少を見据えて「現在の県北2医療圏域を一つにする必要があるのではないか」、熊本のTSMC進出で「高千穂を中心とした観光振興も期待される」などと意見交換。9市町村でさらに協議し、内容を詰めていくことを申し合わせた。

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