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大切にしたい故郷描く

本紙掲載日:2023-11-16
1面
防波堤をキャンバスに故郷の風景などを描く門川町の6年生(15日、同町庵川地区)

防波堤キャンバスに−門川町の3小学校6年生

 門川町内3小学校(門川、草川、五十鈴)の6年生154人は15日、同町庵川地区の防波堤の壁面をキャンバスに、門川湾に浮かぶ無人島・乙島や同町のマスコットキャラクター「かどっぴー」家族など、故郷をイメージした絵を描いた。門川町教育委員会主催。

 「いつまでも大切にしたいわたしたちのふるさとかどがわ」をテーマに1992年から毎年実施されている。

 防波堤は、高さ約1・6メートル、全長約1300メートルあり、今年度はこのうち約150メートルを使用。児童たちは5、6人ずつ28班に分かれて、班ごとに幅約5・25メートルずつ担当した。

 白く塗られた壁面に、それぞれ考えてきた下絵をチョークで描き写し、はけやブラシなどを使ってペンキで色を塗った。

 爽やかな秋空が広がったこの日、児童たちは昼食を挟んで約5時間、各班長を中心に声を掛け合い、仕上げていった。

 五十鈴小2班は、ペンキの垂れ落ちに苦戦しながらも、夕焼けに染まる乙島や門川町の近海で水揚げされる門川金鱧(はも)などを1枚の絵に。班長の中本翔大さん(12)は「門川町の美しい夕焼けを描きたかった」と話した。

 門川小7班は、尾末神社大祭で繰り出される勇壮なだんじり(太鼓台)とその担ぎ手の姿を、壁面いっぱいに力強く描いた。班長の瀧下蓮月さん(12)は「難しかったけど、みんなで頑張った。良い思い出になりそう」と話した。

 また西門川中学校の美術科教員として、この取り組みの立ち上げに携わり、今年4月に教育長に就任した金子文雄さん(64)は約30年ぶりに参加。紙飛行機を飛ばす「かどっぴー」をステンシル版画で描いた。

 完成した壁画は、児童たちが二十歳を迎えた後、再び白く塗り直されて、次代の6年生へ受け渡される。

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