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地域医療の理解深める−延岡市で人材育成講演会

本紙掲載日:2023-11-30
1面

医師や看護師目指す中高生参加−県北部広域行政事務組合

 「地域医療を支える人材育成講演会」が25日、延岡市本小路のカルチャープラザのべおか多目的ホールであった。県北の中高生約40人と医療に関心のある市民ら計約100人が来場。現役医師の講演や医学生らとの意見交換を通して、地域医療への理解を深めた。主催は県北部広域行政事務組合。

◆「多くの限界を知らされた一人では生きていけない」椎葉村国保病院の吉持院長

 はじめに、椎葉村国民健康保険病院の吉持厳信院長が、日本同盟基督教団医療宣教師として1996年から6年半、ネパール辺境のダンデルデュラ病院長として勤務した経験を中心に話した。

 半径150キロで唯一の近代的病院ながら安全な水さえなく、貧しく限られた医療資源しかない中、家族や村人が何日もかけて傷病者を手作りの担架で運んでいたことや、満足な医療を提供できなかったことなどを紹介。

 命が助かった人や救えなかった患者らを写真で紹介しながら、「多くの限界を知らされた半面、人は一人では生きていけないことを強く感じた」と振り返った。

 椎葉村国保病院には2002年9月から勤務し、一般診療だけでなく予防接種や巡回・訪問診療を含め、幅広く活動できていることに感謝。

 学生たちには「世界には皆さんの能力を必要としているいろんな仕事が待っていると思うので、若い時にはいろいろなことに挑戦してもらいたい」とエールを送った。


◆「逆境でも信念を持ち継続して挑み続ける」・延岡共立病院の赤須院長

 延岡共立病院の赤須晃治院長は、自身の幼少時代からを紹介。小学4年生の時に久留米から家族で延岡に帰ってくると、周囲から「医者の子」と色眼鏡で見られ、「延岡を脱出したい」と毎日、宮崎市の学習塾に通い、長崎星雲中へ進学したと振り返った。

 中学ではバスケットボールに熱中して3年生で主将となったが、打ち込み過ぎたあまりチーム内で孤立。国体出場まで決めたが、全国の猛者との大きな体格の差に「勉強の方が楽」と思い、バスケ有力校からのスカウトを断って浪人して久留米大学医学部に入った。

 研修医時代に無休で勤務する中、心臓病治療への情熱が高まり、日本から8人のみの人工心臓埋め込みライセンスをアメリカで取得した。

 さらに腕を磨こうと海外修行を試みたが、留学は順番待ち状態だったため直談判で、世界屈指の心臓移植実績を持つドイツの心臓センターに勤務できるチャンスをつかみ、2年半武者修業を積んだ。

 帰国後は、外科部門だけで行っていた国内の人工心臓治療で、あらゆる部門が連携するチーム医療を久留米大内に確立。九州初の心臓移植手術を成功させ、地域・多職種連携による心臓不全支援チームの立ち上げにも寄与した。

 この間も17年間にわたり毎週、延岡共立病院で非常勤の診療を受け持ち、延岡市医師会の夜間急病センターにも7年間当番勤務。

 2017年に帰郷し、県立延岡病院や医師会を中心とする連携構築、病児保育やレスパイト入院、医療的ケア児の受け入れ、スポーツ合宿の医療的支援など延岡の地域医療発展のため尽力している。

 赤須院長は、若い頃からの失敗談もさらけ出した上で、「人から後ろ指を指されても、それをしのぐ努力、ざんげの人生と思えば何でもできる」「どんな逆境でも信念を持って、継続して挑めば何とかなる」とアドバイス。

 一方で、「この程度の先輩なら追い越せる」「あまり分からないうちから『地域医療を』と気負わなくてもいいのでは」と頑張りすぎないよう諭し、「元気があれば何でもできる。とにかくあしたも元気に過ごしてほしい」と呼び掛けた。


◇将来は地域のために中学生が多数参加

 この後、宮崎大医学部の医学科と看護学科、長崎大医学部医学科、九州保健福祉大学の薬学部と生命医科学部の学生計10人に加え、吉持院長と赤須院長が登壇した。

 縁・在宅クリニックの竹井紗織医師(延岡市出身)の進行で、「受験勉強でやる気が落ちた場合の対処法」「睡眠時間」「共通テストまでの勉強法」など、会場の中高生たちからの質問に答えた。

 今年は中学生が多く、このうち延岡市内から参加した安藤丈翔さん(岡富中3年)は「死が身近にある途上国と、それとは逆に医療が進んでいる先進国の話が聞けて新鮮だった。将来は地域のために自分も役立つことができれば」と話した。

 同講演会は、中高生に医療への理解を深めてもらい、医療従事者を目指す「夢」を抱いてもらうことで、将来、地域医療に貢献する人材を育成することを目的に、2012年から毎年開かれている。

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