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農業の難しさ喜び実感−20人に修了証書

本紙掲載日:2023-12-14
1面
第25回いきいき農業塾受講生とJA延岡の関係者
楠田組合長から修了証書を受け取る三樹さん

JA延岡「いきいき農業塾」

 JA延岡(楠田富雄組合長)主催「2023年度いきいき農業塾」の閉講式が12日、延岡市川原崎町の同JA本店であり、楠田組合長が受講者に修了証書を手渡し努力をたたえた。

 楠田組合長は「土をつくり、種をまき、丹精込めた作物が収穫できた喜びは大きかったことと思います。しかし、農業の現状は厳しく、今後の食糧安保は大きな課題。農業塾を通じて、皆さんに少しでも関心を高めてもらえたらありがたい」とあいさつ。

 農民詩人で有機農業の先駆者・星寛治さんの言葉「生命を育てる営みは、自分の内面を耕し、心の充実をもたらす」を引用し、「皆さんもこれから生命を育ててください。ご健勝とご多幸を祈念します」と呼び掛けた。

 東臼杵県北部農業改良普及センターの川越香所長も来賓あいさつに立ち、卒業生の活躍と延岡の農業振興に期待を寄せた。

 楠田組合長が、班長の三樹健太さん(29)と浜垣克広さん(66)に修了証書を授与。記念品として、農作業に欠かせない剪定(せんてい)用はさみと有機肥料10キロが贈られた。

 塾生代表の浜垣さんが「農業の難しさや喜びを実感し、私たちが成長するための貴重な礎となりました。今後も健康に留意して技術を身に付け、安全安心な農作物の栽培に頑張ります」と謝辞。

 4人の講師陣が共に活動した期間を振り返りながら塾生を激励した。このうち営農指定相談員の牧野哲郎さんは「野菜作りはやってみて、失敗して、覚えてください。失敗してからが第一歩。私たちはいつでも相談に乗ります」と呼び掛けた。

 塾生たちもそれぞれにあいさつに立ち、酷暑だった夏の思い出や講師陣への感謝、これからの目標などを話していた。

 同塾は食と農への理解を深め、農業を通じた生きがいづくりと就農への意欲を高めてもらうことを目的に1999年度から始まった。

 今年度は延岡市のほか日向市や諸塚村から参加した20人でスタート。2月から、祝子町のJA延岡地域農業振興支援センターで季節の野菜の種まきと管理・収穫、病害虫の予防や駆除、生産者の視察など計14回の座学と実習を通じて農業の基礎を学んだ。これにより今回(第25回)までの卒業生は累計で840人となった。

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