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天岩戸神社で「注連縄張神事」

本紙掲載日:2023-12-25
1面
天岩戸神社で行われた注連縄張神事(22日、神社に許可された場所から撮影)
かぶら矢を奉献する押方さん

“発祥の地”で厳かに

◆明るい新年を願う

 古事記や日本書紀の記述から“注連(しめ)縄発祥の地”とされる天岩戸神社(高千穂町岩戸、佐藤永周宮司)で22日、ご神体「天岩戸」の注連縄を張り替える神事があり、大勢の参拝者が明るい新年の到来を願った。

 神話の継承や地域活性化を図る恒例行事で、2020年から始まった。張り替えは地上約50メートルの岩壁での作業となるため、例年著名な登山家を招く。

 神事の前後には、各界を代表する芸術家がパフォーマンスを奉納することも通例となっている。

 西本宮拝殿で安全祈願と奉送の儀を行い、登山家の望月将悟さん(46)と天野和明さん(46)が神前に祭られた注連縄(直径5センチ×長さ20メートル)を抱えて移動。参拝者は、北側に面する遥拝殿に回り込み、渓谷を隔てた先のご神体を拝観した。

 佐藤宮司(40)の祝詞や代表者による玉串奉納に続き、県立高千穂高校弓道部主将の押方伴之さん(16)が、かぶら矢を奉献した。

 張り替え作業が始まると、一同は清らかな風音やせせらぎを感じながら祈りをささげた。

 初めての大役を果たした押方さんは「神聖な場所なのでとても緊張しましたが、一生に一度だと思うので良い経験になりました。来年はもっといろいろなことを経験して、今年できなかったことにも挑戦したい」と笑顔。

 佐藤宮司は「今年もたくさんの方に協力していただき、無事に神事を執り行うことができて安心しています。絶やさず続けていくことで神さまの力を分けていただき、明るい世の中が保たれることを祈ります」と話した。

 この日は国指定無形民俗文化財「天岩戸神楽」の奉納や岩戸伝説になぞらえた畳投げ大会もあった。

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