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高千穂峡−遊歩道が全面開放

本紙掲載日:2024-03-15
1面
高千穂峡で行われた遊歩道の安全祈願祭(15日)
約1年6カ月ぶりに全面開放された高千穂峡の遊歩道

台風被害1年6カ月ぶり・関係者ら安全を祈願

 2022年発生の台風被害により一部通行止めとなっていた高千穂峡(高千穂町三田井)の遊歩道が15日、復旧を終えて全面開放された。被災から約1年6カ月ぶりの開放に、散策する観光客の表情にも笑顔が広がっていた。

 高千穂峡の遊歩道を巡っては22年9月、台風14号の豪雨に伴う五ケ瀬川の増水で大量の木や枝などが漂着し、柵や路盤の一部が流失するなど甚大な被害を受けた。

 当初、通行止めとした区間約700メートルのうち、名勝・真名井の滝を望む第1滝見台やアララギ乃茶屋―槍飛橋は一足先に開放。より大きな被害が生じた第1滝見台―槍飛橋(約125メートル)の工事を残すのみとなっていたが、歩道のかさ上げや拡幅などを施し、十分な安全が確保できたことから全面開放となった。県によると、総事業費は約1億4千万円。

 この日は峡内で安全祈願祭があり、県や高千穂町、同町観光協会の関係者ら約20人が出席。甲斐宗之町長は「素晴らしい自然や神秘的な雰囲気を全身で感じてもらえる環境が整った」。観光協会の竹尾通洋会長は「水神さまが怒らないよう、より水を大事にしながら観光振興に努めたい」などと述べ、復旧に携わった各方面へ感謝を伝えた。

 第1滝見台―槍飛橋の見どころの一つ「鬼八の力石」の迫力に驚いた様子でカメラを構えていた大原美智子さん(42)=大阪府=は「心が洗われるような気持ちになる。幸運なタイミングで来ることができて本当に良かった」と喜んでいた。

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