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巨典の−故郷は遠きにありて思うもの(35)

本紙掲載日:2024-06-19
8面

IT業界からキャリアチェンジ−起業家・小林由紀さん(延岡市出身)

◆モノづくりの世界へ転身−きっかけは−アプリ利用者へのプレゼント 手作りせっけん企画開発−贈る人、贈られる人を幸せに

 最近、ビジネス用語で「キャリアチェンジ」という言葉が使われます。意味は「未経験の業界や職種へ転職すること」。

 今回の主人公は、IT業界から、無添加せっけんなど未知のモノづくりの世界へと華麗な転身を遂げた延岡市出身の女性起業家です。

 女性は小林由紀さん。延岡市立南小から南中、そして延岡高校から青山学院大学へと進みます。独学でマイクロソフト認定の資格を取得し、OLからパソコンスクールの講師に転身しました。

 2013年、システム開発やスマートフォンアプリ開発を手掛けるデキャンタージュを福岡市に設立。ここで、アプリ利用者へのプレゼント商品がきっかけとなり、手作りせっけんなどの企画開発を行います。

 実は、小林さんも、自身のアレルギー体質に合うせっけんを探した経緯があり、同様に悩んでいる人への手助けになればとの思いもあったのだそうです。

 開発に当たり、小林さんは他のせっけんとの差別化を図ります。ただの「モノ(物)」を売るだけではなく、贈る人も贈られる人も幸せな体験ができる「コト(事柄)」を売るという発想。つまり、贈る人の想(おも)いがこもり、もらってうれしく特別な日に使ってもらえるようなせっけんを開発したのです。

 誕生石に見立てたスワロフスキー(クリスタル)の付いたガラス瓶にせっけんを詰めて、誕生石の由来などを記したカードを添え、「バースデーストーンソープ」と名付けました。

 九州産オリーブオイルやアルガンオイルなど、ぜいたくな原材料を使用し、MADEINKYUSHU(メード・イン九州)の生せっけんをコンセプトに、低温でオイルの成分を傷めない製法を用い、40日間熟成させて作られています。

 しかし、競争が激しい業界です。認めてもらうのは実に大変でしたが、絶対に諦めないという強い気持ちで、さまざまな商談会へエントリーします。一方でコツコツと福岡で人脈づくりを行ってきた努力も手伝って成果が実り始めます。

 バースデーストーンソープは、東京・有楽町マルイで販売がスタート。その後、ホテルオークラ福岡や西鉄グランドホテルのアメニティー洗顔せっけんやJR九州のスイーツトレイン「或(あ)る列車」特別仕様の液体せっけんなども納入、ゲーム会社カプコン向けの商品開発も行いました。

 それらの実績が認められ、小林さんは17年に全国商工会議所主催の「第16回女性起業家大賞」を受賞します。女性ならではの視点や製造過程のこだわりなどが高く評価されたのです。

◆多くの女性のために−日本フラワーソープ協会も立ち上げ

 しかし、小林さんは現状に満足せず、すぐに次の一歩も踏み出しました。多くの女性のために何かできることはないかと、「日本フラワーソープ協会」を立ち上げます。

 フラワーソープとは、せっけんから作られた造花の一種で、本物の生花と見間違えるほど精巧に作られており、一般的な造花にはない香りと生花のような美しさを両方で楽しめ、人気となっています。

 しかも小林さんは、安全安心の天然素材を使うことで差別化を図り、「アースリーフラワー」と名付けました。このアースリーフラワー製作を普及させることで、モノづくりの楽しさのみならず、女性の在宅ワークや活躍推進、障害者の就労支援なども実現したいとしています。

 小林さんに、ふるさとの好きな場所を尋ねると、「南中学校裏の松林の小道を歩いていくと眼前に急に広がる長浜海岸」というユニークな答えが返ってきました。なるほど、急に広がる明るい日向灘は、小林さんの未来が広がる予兆だったのかもしれません。

 今後の目標は、ヨーロッパ最大のインテリアデザイン見本市、パリの「メゾン・エ・オブジェ」に有田焼・香蘭社の器とコラボしたアースリーフラワーを出品することだそうです。きっと長浜海岸のような明るい未来が広がっていくのかもしれません。

 大好きなふるさとへのメッセージを尋ねると、「例えば、『モノ売り』ではなく『コト売り』のイメージで、新たな地場産品が開発できれば、街がもっと元気になるのではないでしょうか?そのためにもチャレンジ精神のある経営者の皆さんがどんどん生まれてほしいと思っています」とのこと。

 小林さんの強みである商品企画力とIT技術のコラボ、これはふるさとの活性化の大きな原動力になるのかもしれません。

 「限界を決めるのは自分自身、リミッターを外すのも自分自身、年齢制限は無しby小林由紀」

 高橋巨典(元UMKアナウンサー。現在、フリーアナウンサーとして福岡をメインに活動中。日之影町生まれの延岡育ち。趣味は渓流釣り。県北のほとんどの川で釣りをしたというヤマメ釣り歴45年。延岡高校31回生・1979年3月卒/リポートは不定期で掲載します)

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