久保さん、大坪さん絵画２人展

１０日まで、アートギャラリーマサコ（延岡）

◆「ありがとう近藤先生」

　延岡市の画家・近藤庸矢さん（９２）に師事する久保ケイ子さん（７９）＝同市大貫町＝と大坪眞佐子さん（７０）＝同市大貫町＝による絵画２人展「ありがとう近藤先生」が１０日まで、同市中町のアートギャラリーマサコ（チムニー１階）で開かれている。

　２人は近藤さんが指導する絵画グループ「ポン・ヌフ」（高森拓夫会長、１２人）の結成時からの会員で、３３年にわたり近藤さんに師事してきた。今回の作品展は、高齢のため５月に延岡の地を離れる近藤さんへ感謝を込めて企画した。油彩を中心に風景画や静物画など１人２１点ずつ展示。それぞれが描いた近藤さんの肖像画も並ぶ。

　「これまでずっと個展は断り続けてきた」という久保さんは「私にとっては最初で最後の個展」と断言する。「先生が延岡を離れると聞いて引き受けることにしました。まだまだ先生のような美しい絵は描けませんが、この３３年間はただ楽しくて楽しくて。先生から『よしっ』と合格をもらいたくて描き続けてきました」と振り返る。

　大坪さんは「先生は師であり父親のような存在です。これまで指導してもらうことが当たり前だったので、もっと貪欲に学んでおけば良かったと今になって思います。今回は、ずっと一緒に描き続けてきた久保さんの集大成でもあります。ぜひ久保さんの絵を皆さんに見ていただきたい」と語る。

　会場を訪れた近藤さんは「会員には常々『絵画は人の心を慰め、ほっとさせるもの。だからいつも美しくなくてはならない』と言い続けてきました。３３年間描き続けてきたということは、迷路にはまりながらも、そこで引き返してあるべき道に戻ったということ。努力と忍耐がなければ続けられなかったでしょう。２人とも作品にはずいぶんと個性が出ています。なかなか立派ですよ」と、うれしそうに弟子たちの作品を見詰めていた。

　入場無料。午前１０時〜午後６時。問い合わせ先はチムニー（電話延岡２１・８３３８）。