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聖火リレー、託された〃希望の光〃

本紙掲載日:2021-04-26
2面
高千穂町での出発式で、河野知事から第1走者・後藤清香さんのトーチに点火される聖火(25日、高千穂神社)
高千穂神社での出発式で奉納された神楽「戸取」
出発式が行われた高千穂神社。聖火ランナーをスマホなどで写真を撮ったり、手を振ったりして応援する人たち

神話の里からスタート

 東京五輪の聖火リレーは25日、全国16府県目、九州2県目となる本県で初日を迎え、神話の里高千穂町から始まった。

 スタート地点となった高千穂神社では出発式が行われ、高千穂棒術保存会による棒術、高千穂の夜神楽伝承協議会による神楽「戸取り」「舞開き」の奉納に続き、河野俊嗣知事が「世界の〃希望の光〃がこの高千穂に託されているという誇らしい思いと共にスタートしたい」、地元の甲斐宗之町長は「やおよろずの神々が見守る中、東京五輪の開催、成功を祈る皆さまの思いをトーチに託し、この高千穂町から送り出したい」とあいさつした。

 この後、会場に聖火が入場。河野知事から、同町出身で第1走者の後藤清香さん(15)=宮崎大宮高1年、高千穂中卒=のトーチに火がともされた。

 同町では、後藤さんを含め8人のランナーがリレー。沿道の人たちに笑顔で手を振るなどして町のメインストリートでもある神殿通りを、ゆったりとした足取りで進んだ。

 第4走者の森山浩一さん(51)=日之影町=は「頭の中真っ白で、必死になって周りに手を振りました」。第3走者の毛利信俊さん(54)=五ケ瀬町=は「いろんな方が手を振ってくれてうれしかった」とにっこり。

 高千穂町立病院で新型コロナウイルス感染症対策業務を担当している第2走者の興梠裕樹さん(40)=同町=は「医療従事者、病院などの施設で感染症対策を担っている方々にエールを送りたいと思いながら走りました」と話した。

◆コロナ対策仕様で応援−町民らランナー後押し

 沿道には、大会の象徴となる聖火を一目見ようと、大勢の町民らが訪れ、コロナ対策仕様の応援でランナーを後押し。マスクの着用や適切な距離の確保、拍手での応援が呼び掛けられる中、スポンサー企業の車列に続いてランナーが近づくと、スタート前に配布された小旗を振るなどしてエールを送っていた。

 聖火をつなぐトーチキスポイント近くで寝具店を営む首藤征紀さん(78)=同町三田井=は「78年生きてきた中で初めての光景。感動した」と興奮した様子。新型コロナウイルスの感染拡大で大会開催への影響が懸念されるが、「ここまできたからには、どんな形であっても開催してほしい」と期待した。


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