華麗に、しなやかに

本紙掲載日：2021-05-10

7面

伊達バレエ第７４回コンサート

◆多彩な作品で魅了

　「第７４回伊達バレエコンサート」が２日、延岡総合文化センター大ホールであった。伊達バレエ団・バレエスクール（伊達由伺子主宰）の延岡、日向、宮崎教室に通う３歳から高校生までの生徒約４０人が出演。ゲストに西島数博さん（伊達バレエ団団長、ＪＡＰＡＮＤＡＮＣＥＩＮＮＯＶＡＴＩＯＮ代表）、日髙有梨さん（牧阿佐美バレヱ団所属）、渡部真衣さん（東京シティ・バレエ団所属、伊達バレエ出身）を迎えた。

　コンサートは全員が出演するエチュード「皇帝円舞曲」で幕を開け、本科生、バラ・スミレクラス、専科ごとにダンスを披露した。

　第１部は、主に名作バレエのヴァリエーション集。コンクールに出場した生徒たちが、ソロで華麗に踊って会場を沸かせた。ゲストの日髙さんは、「タリスマン」の中のニリチのヴァリエーションをしなやかに踊った。また、西島さん自身がリスト作曲の「愛の夢」と「ラ・カンパネッラ」に演出・振り付けした「ＬＯＶＥ☆ＤＲＥＡＭ」を生徒と踊り、独創的なダンスで来場者を魅了した。

　第２部では、沖田紘昂さん（延岡高３年）が同スクールを卒業する記念作品として、「パリのよろこび」を上演。芸術の都パリを舞台に、画家や貴婦人、プードルまで登場するユーモアあふれる作品の中で、沖田さんはバレエを志す青年を演じ、渡部さんと「パリの炎」のグラン・パ・ド・ドゥを披露。華麗で力強く踊り、来場者は作品の世界に引き込まれていた。

　第３部は、宮崎市の和太鼓グループ、橘太鼓「響座」の岩切響一さんが打ち鳴らす和太鼓の音と西島さんのしなやかなダンスが融合した「ドラマティック古事記～スペシャルエディション版～」で始まった。

　続けて、西島さんが演出・振り付けした創作バレエ「神話に寄せる幻想～ｉｌｌｕｓｉｏｎｓｏｆｍｙｔｈｏｌｏｇｙ～」を上演。西島さんと日髙さんがメインとなって日本神話の幻想的な世界観を表現。出演者全員で臨んだグランドフィナーレでは、大きな拍手が会場を包んだ。

　卒業記念コンサートを終えた沖田さんは「完璧とは言えなかったが、自分らしく楽しく踊れたので良かったです」と振り返った。また、「大学に進学してもバレエを続けたいと思います」と話していた。