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50人分ワクチン廃棄−五ケ瀬町

本紙掲載日:2021-05-19
3面

希釈作業でミス

 五ケ瀬町は18日、17日の新型コロナワクチンの集団接種において、本来の濃度とは違うワクチンをセットした可能性がある注射器が混在したため、10バイアル50人分のワクチンを廃棄したと発表した。廃棄について同町は安全に接種するにはほかに選択肢はなかったと説明している。

 同町によると、看護師3人が17日午後、五ケ瀬町国民保険健康病院でワクチンを希釈し、注射器へ取り分ける作業をしていた。3人で確認しながら1バイアル(1瓶)に生理食塩水1・8ミリリットルを注入した。

 単純計算だと生理食塩水1・8ミリリットルに、ワクチン原液量0・45ミリリットルを足して希釈したものを0・3ミリリットルずつ吸い上げると5人分(注射器5本分)が取れた上に、余りが生じるはずだったという。ところが、作業の最後に1バイアルから4人分(注射器4本分)しか作れなかったという。

 この注射器4本とすでに作っていた注射器45本を同じトレーに置いたため、どの注射器か判別できず、さらに4本分しか取れなかった原因も分からなかったことから、トレーにあった45本とともに49本、正しく取れていれば50人分の注射器に入ったワクチンを廃棄することにした。

 同日午後のワクチン接種予定者は50人で、作り直しのため、午後の接種業務は予定より約1時間遅れたが、予定していた人数分の接種は無事終わったという。

 今後、国からの予定供給量に余裕があることや1バイアル6人分採取可能な注射器を導入予定であることから、65歳以上の高齢者への接種スケジュールに影響はないとしている。

 町は先週まで、保健師がワクチン注入作業に立ち会って確認していたが、他の業務も含めて保健師の負担が大きいため先週末に行った作業の見直しで保健師の立ち会いをこの日からやめていた。4人分しかできなかった原因は、特定できていないという。

 町は今後、責任ある立場の職員がワクチン注入作業に立ち合って確認する、注射器を1バイアルごとに別々のトレーに振り分けて他の注射器と混在しないようにする――などの対策を行う。

 福祉課の武内秀元課長は「絶対に起きてはいけないことが起きてしまい申し訳ない。基本に立ち返って、今後、誤りのないようにしていきたい」と話した。

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