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生活の中にある美(23)−県北の土木構造物

本紙掲載日:2021-05-20
7面
岩石を主材料とするロックフィルダムの門川防災ダム

ロックフィルは県北唯一

◆門川防災ダム(門川町加草)

 門川防災ダムは堤高31メートル、堤頂長177メートル。昭和41(1966)年着工、47年完成。コンクリートではなく、岩石を主材料に造られたロックフィルダム。この形式は県北唯一で、県内では最も古い。防災ダムとしては、県内で2番目に造られた。

 鳴子川水系の2級河川、鳴子川の河口から約4キロ上流にある。台風や大雨で同川は氾濫。そのたびに被害に遭っていた下流域の農作物を守るため、6年かけて建てられた。

 ロックフィルダムの中でも、傾斜コア型ロックフィルダムという形式。内部上流側には、主に粘土で造られ、水を遮断するコア層がある。それを土砂などで保護し、表面(フィル層)を岩石で覆っている。ロックフィルダムに対し、主に土で造られたものをアースフィルダムと呼ぶ。

 断面は、底辺の長い三角形。広い底面積を確保することで、重さが分散されて地盤に伝わる。そのため、基礎岩盤が弱い所でも建設可能という。コンクリートより工費を抑えられる利点もある。

 ダム湖周辺には緑地公園とトイレが、下流側には多目的広場が整備されている。大雨の際に水がダムを越えないよう、右岸側の堤頂面より低い所に吐水口が設けられている。

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