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勝ち越しだー、花火も2日連続

本紙掲載日:2021-05-24
3面
勝ち越しの瞬間、喜びに沸いた琴恵光の実家「ちゃんこ松恵」(22日夕、延 岡市山下町)
75発の花火が千秋楽の夜空を彩った(23日夜)

喜びの両親、後援会−ちゃんこ松恵−延岡

 2場所連続の勝ち越しが懸かった22日夕、延岡市山下町の実家「ちゃんこ松恵」では、両親や詰めかけた延岡後援会の関係者がテレビ画面の前で声援を送った。

 相手も勝ち越しを懸ける志摩ノ海。訪れた人たちは、軍配が返るまでは声を抑えながらも、気合を入れて、静かにテレビを見守った。

 琴恵光は、体格で上回る志摩ノ海を正面から受け止めると、見事な寄り切りで勝ち越しを決めた。勝負を決めた場面がスロー再生され、志摩ノ海の体を浮かせた場面では拍手や「すごいね」の声が飛び交った。

 父親の柏谷正倫さんはガッツポーズで訪れた人たちと喜びを分かち合った。母親の多美さんは直後からひっきりなしに鳴り響く祝福の電話対応に追われながら、「ありがとうございます」と涙声でお礼を述べていた。

 正倫さんは「今場所はひと回り大きくなった印象。右差しの形が良くなっていたし、それ以外の部分も進化したと思う。隠岐の海、玉鷲、遠藤といった実力者から勝ち星を挙げたことも、次に向けての自信になるはず」と振り返った。また、テレビに映った花道を戻る琴恵光が感極まった表情をしていたことから「苦しかったのでしょう。ほめてやらなければ」と思いやった。

 延岡後援会の稲田義美会長は2場所連続の勝ち越しに「感無量。コロナ禍でまちに元気がない中、明るい話題と勇気を与えてくれた。常に心掛けている前に出る相撲が実践できており、安定感も増した。来場所も楽しみです」と期待を膨らませた。

 延岡後援会は、勝ち越しを決めた22日夜には勝ち星の数と同じ8発の花火を若隆景を破って有終の美を飾った23日夜には75発の花火を、須崎町の堤防から打ち上げた。千秋楽の75発は後援会の打ち上げとしては最多で、勝ち星を上積みしたお祝いと、コロナ禍が影を落とすまちを勇気づけようと企画した。

 両日とも梅雨の晴れ間という好天で、午後8時の合図と同時に花火の音が鳴り響いた。色とりどりの花火が五ケ瀬川の水面を彩ると、周囲の住宅や堤防から拍手が巻き起こっていた。

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