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生活の中にある美(24)−県北の土木構造物

本紙掲載日:2021-05-25
7面

◆九州で最初のダム式発電所−大内原ダム(美郷町西郷大内原)

 大内原ダムは、美郷町西郷と日向市との境の国道327号沿いにある重力式コンクリートダム。堤高25・5メートル、堤頂長152・6メートル。1954(昭和29)年に着工し、2年後に完成した。耳川にある8基のうち、最下流のダムに当たる。

 総工事費約21億円。ダム湖からの落差を利用して発電する「ダム式発電所」であり、直下に発電施設がある。この形式の発電所としては、九州で初めて造られた。ダムから毎秒120立方メートルの水が2本の水圧管(長さ約30メートル、直径5・5メートル)を通って発電機を回し、1万6000の電気を生んでいる。

 上流の発電所から流れてくる大量の水を一時的にため、水量を調整しながら放流している。そうすることで下流の水位変動を安定させる「逆調整池機能」も有している。

 ダム湖畔には温泉施設やウェイクボードが楽しめるレジャー施設「石峠レイクランド」が整備されている。


◆日本最大級のゲートに改造−山須原ダム(美郷町西郷山三ケ)

 山須原ダムは堤高29・4メートル、堤頂長91・1メートルの重力式コンクリートダム。美郷町西郷と諸塚村との境を流れる耳川にある。1929(昭和4)年に着工、32年に完成した。

 現在、通砂機能を加える工事が進行中。下流にある西郷ダムと同じく、県の耳川水系総合土砂管理計画の一環で2011(平成23)年から行われている。

 工事では既設ダムを約9メートル切り下げ、ゲート8門のうち、中央2門を日本最大級の大型ゲート(幅13・6メートル、高さ15・5メートル)1門に改造した。

 九州電力耳川水力整備事務所によると、大型ゲートの据え付け作業は終了。今はその周辺の整備などを進めており、来年5月に完成する予定という。

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