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住宅用火災警報器−10年たったら交換を

本紙掲載日:2021-05-26
3面
「九州一斉住宅用火災警報器普及啓発キャンペーン」のチラシ

設置や期限確認を呼び掛け

◆6月7日まで九州一斉キャンペーン−消防本部

 10年たったら交換を―「九州一斉住宅用火災警報器(住警器)普及啓発キャンペーン」が、26日から始まった。県北の各消防本部も未設置世帯への機器取り付けや、使用期限の確認などを呼び掛けている。6月7日まで。

◆設置で被害半減

 住警器は煙や熱を自動的に感知し、警報や音声で火災発生を知らせる機器。消防法の改正で、新築住宅は2006年6月から、既存住宅は11年6月までの設置が義務付けられた。

 総務省消防庁の統計によると、19年に全国で発生した火災による死者は1486人で、7割近い1000人が住宅火災で亡くなっている。

 一方、17〜19年の3年間に起きた失火を原因とする住宅火災を分析した結果、100件当たりの死者数は住警器を設置していなかった住宅が11人だったのに対し、設置世帯は5・3人と半数以下だった。

 1件当たりの焼損床面積も未設置が63・4平方メートルで、設置が30・9平方メートルと半減。損害額は未設置の324万円に対して設置世帯が196万円と4割少なく、住警器設置の効果の大きさが明らかとなった。

◆寝室が上階なら階段にも

 消防庁が集計した全国の住警器設置率(推計値)は昨年7月1日現在で82%。県平均は84%、県北は西臼杵が88%、延岡市も84%と全国平均を上回り、日向市は74%だった。

 一方、設置基準を全て満たしている条例適合率は全国が68%、県が74%だったのに対し、西臼杵は83%と大きく上回ったものの、延岡市は67%、日向市は61%にとどまっている。

 必要最小限で効果が高いとされる設置場所は寝室だが、建物の2階以上にある場合は、唯一の避難経路となりやすく煙が集中する階段室にも設置が必要。

 罰則は特に定められてはいないが、住宅火災の死者は逃げ遅れが最も多く、年齢別では65歳以上の高齢者が7割以上を占めており、各消防本部は適正な設置を呼び掛けている。

◆交換の目安は10年

 住警器の使用期限は一般的に7〜10年とされており、期限を過ぎてしまうと、電子部品の劣化や電池切れで火災を感知しなくなることがある。消防やメーカーは「10年」を目安に交換するよう強く求めている。

 設置が完全義務化されて昨年で10年となり、多くの住宅が住警器の交換時期を迎えているとみられる。このため、県北の各消防本部も啓発キャンペーンを通じて、設置時期を改めて確認するよう呼び掛けている。

 正しい維持管理法として、まずは住警器の点検ボタンや点検ひもで作動を確認。反応がなかったり、火災警報以外の警報音が鳴った場合は電池切れか故障しているため、交換する必要がある。

 住警器は電気店やホームセンターなど身近な店舗で取り扱っており、正規品は2千円前後から購入できる。延岡市消防本部では、市のホームページ、ソーシャルネットワーク・サービス(市公式アカウント)のLINE(ライン)やFacebook(フェイスブック)、市役所屋外電光掲示板、大型商業施設での店内放送、バスの車外広告などを通じて、設置や交換をPRしている。

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