風水害シーズン到来−県防災庁舎で対策本部

対応力強化へ図上訓練−情報収集や提供など確認

　台風や大雨などに伴う風水害シーズンを迎え、県は２５日、県防災庁舎で、災害対策本部の災害対応力の強化を目的とした図上訓練を行った。本部要員の県職員ら約５０人が参加。各班との情報の共有や連携、防災関連システムの取り扱い方法などを確認した。

　訓練は、台風による風水害を想定。昨年の台風１０号を主なモデルとし、県内全域に大雨洪水警報、市町村で避難指示が発令される中で、行動要領マニュアルに沿って各地の災害情報の迅速な収集や共有、情報提供の流れなどを確認した。

　続いて、台風が通過して警報が解除される中、人命に関わる被害の通報や避難所からの要望など寄せられるさまざまな情報に対応するため、迅速な報告や協議を通じて優先すべき課題の把握や意思決定など、判断や調整などに磨きをかけた。

　図上訓練は毎年、出水期に合わせて開催しているが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大による県独自の緊急事態宣言発令に伴い、警察や消防など関係機関の招集は行わず、県庁職員のみの参加とし規模を縮小して開催した。

　県危機管理統括監の小田光男さんは「コロナ禍ではあるが、災害はいつ起きるか分からないため、コロナ対策をしつつ規模を縮小して訓練を実施した。災害対応についてはコロナ対策を取りながら万全を尽くしたい」。

　また、災害対策基本法の改正で避難勧告と避難指示が一本化されたことを受け、「県としても情報の周知に努めるが、県民の皆さんも理解をいただき、避難の際にはコロナ対策も万全に早めに避難を心掛けてほしい」と話していた。