読谷山市長、定例会に再提案へ

地域電力会社関連予算案−延岡市

　今年度内の地域新電力会社設立を目指す延岡市の読谷山洋司市長は２６日、関連予算案を市議会６月定例会に再提案する方針を示した。設立をめぐっては、これまでに再議を含め市議会で事実上、２度否決されている。

　市民団体との面会後、報道陣の取材に応じた読谷山市長は「６月議会に提案する方向で検討したい。必要性が高まっているという認識を新たにしている」と語った。

　地域新電力会社の設立をめぐっては、市が市議会３月定例会に出資金６千万円などの事業費を盛り込んだ２０２１年度一般会計補正予算案を提案。議会は「さまざまな点で課題があり、もう少し時間をかけて検討すべき」として、事業費を減額した修正案を発議し可決。読谷山市長は再議を求めたが、議会は３月２９日の臨時会で、事業費を減額した修正案を賛成多数で再び可決した。


◆電力会社設立は見直しを−考える市民の会が市に署名提出

　延岡市が今年度中の設立を目指す地域新電力会社について、創業事業計画の見直しを求めている「電力会社設立を考える市民の会」（増田幹夫会長）は２６日、読谷山市長に要望書と７８２人分の署名を提出し、改めて見直しを求めた。

　増田会長は「市民への十分な周知徹底を図り、市議会でも繰り返し指摘を受けている問題点、リスクについて十分な検討を加え、計画の見直しに取り組んでほしい」と要望。また、議会が事実上、２度「否決」した点などを指摘した。

　読谷山市長は「必要性の高い事業と思っている。いろんな意見を聞いた上で検討したい」と述べ、改めて市議会に予算案を提案し、年度内設立を目指す考えを示した。
同会は４月にも要望書と署名を提出。前回の署名は４８２０人だったため、今回で総数は５６０２人となった。


◆新電力会社設立を求め市に要望書−暮らしやすい延岡を願う仲間たち

　延岡市が今年度中の設立を目指す地域新電力会社について、市民団体「暮らしやすい延岡を願う仲間たち」（山本恵子代表）は２６日、読谷山市長に会社設立を求める要望書と、市議会議員との意見交換会の内容をまとめた報告書を提出した。

　要望書では「高齢者が増えていく本市は、税収の減少が加速していく。社会保障や子育て支援、防災対策にも財源確保はますます必要」と指摘。「新電力会社設立は民意で選ばれた市長の公約」とし、「暮らしやすい延岡の実現を」と求めた。

　読谷山市長は「可能な限りいろいろな団体や事業所、市民の声を聞いて判断しなければ。電力会社の必要性は一層高まっていると考えている」と述べた。

　同グループは１２日、市議会議長、副議長、地域新電力会社設立調査特別委員会の委員と意見交換会を行った。