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ココカラSDGs−第4回「海×SDGs」(下)

本紙掲載日:2021-07-21
6面

▽まずは陸上の行動を変えよう―税田さん
▽僕たちが守らなくてどうする―高橋さん
▽手を加えて「好き」を「すてき」に―難波さん

−−高橋さんは、海の素晴らしさを知ってもらう活動にも取り組まれています。

〈難波〉とある本によると、親が子どもに「ピアノの練習をしなさい」と怒鳴ります。何度も怒鳴るうち、子どもの耳はその言葉に慣れてしまい、何も思わなくなります。練習させたいのであれば怒鳴る前に、美しいピアノの音色を聞かせること。これは海も同じです。人々にこんなに美しい海、美しい生き物が存在していることを知ってもらうことで、大事にしたい、守りたいという気持ちになるのではないでしょうか。

〈高橋〉その通りです。「延岡は何もない」と言う人が多い。素晴らしい海があっても、当たり前すぎて大切だと感じなかったり、価値を感じていない人もいます。本当に海がなくなったらどうなるのか。「今生きている僕たちが守らなくてどうする」というメッセージを込め、水中の映像をテレビやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で流したり、講演活動で子どもたちや市民の皆さんに延岡の海の素晴らしさを伝えています。

〈難波〉私も出前授業に行くことが多いのですが、ある小学校で子どもたちが語った言葉が、とても印象的でした。それは「『好き』を『すてき』にしていきたい。そのためには人の『て(手)』がいる。人の手があることで『好き』が『すてき』になってくる」。高橋さんは、その手を加えていくためのきっかけづくりをされているのですね。
ごみをどう処理するかではなく、ごみ自体を出さない社会にする「ゼロ・ウェイスト」という言葉があります。これは無駄、ごみ、浪費をなくすという意味です。そのような取り組みを通し、大好きな延岡が大〃すてき〃な延岡になるといいですね。

−−子どもたちに何を伝えていきたいですか。

〈税田〉今の子どもたちはSDGsについて、ずいぶんよく知っています。大人がつくってしまった問題に、これから一緒に向き合っていかなければならない世代です。子どもたちには知る権利があります。

〈高橋〉素晴らしい海の世界を見てもらった後「みんなだったら何ができるか」とメッセージを投げ掛けると、浦城町の子どもたちは自主的に仲間と集まってごみ拾いをしたり、「一緒に参加していいですか」とダイバーたちのごみ拾いに参加したりします。
また、島浦町の子どもたちには毎年、シュノーケリング教室でサンゴを観賞してもらいます。「たばこを1本捨てると1平方メートルのサンゴを死なせてしまう」と教えると、家族がたばこを捨てるのを注意してくれます。子どもたちは海を守りたいと、純粋に思いを受け止めてくれます。

〈難波〉大人が教えを施すのではなく、子どもたちの声で気付かされて大人が動く。だから共に取り組むことができるのだと思います。それがきっと、きょうからできるアクションになります。

−−海を守るため、私たちにできることは何でしょうか。

〈税田〉私の仕事は清掃業です。お掃除は目に見えるものをきれいにすることが従来の考え方でした。しかし今、ウイルスなど目に見えないものと向き合う時代になりました。ビルがたくさん立つ時代になり、適正な処理をせずにビルを壊し、ほこりが目に見えなくなってしまっても、決してなくなったわけではないことを、仕事を通じて知る機会がありました。
つまり、人間が作った人工物は空気中にずっと存在しているということです。海の中でも同じです。たとえマイクロプラスチックが目に見えなくなったとしても、なくなったわけではありません。目に見えなくなったから自然に返ったと考えるのはやめましょう。
きょうから自分ができることは何か。例えば、自宅の庭に壊れた子どものおもちゃがあるとします。それが風化して目に見えなくなる前に、きちんと適正に処理する。そんなふうに少しずつ気を付けていくことがとても大事です。

〈難波〉1人だとちょっとしたことですが、100人が同じように取り組んだらすごい力になりますね。

〈税田〉私は生き物が好きですが、それ以上に地球全体がとても好きです。いろんな生き物が共生している今の世界は、ものすごく奇跡的で素晴らしいことです。その地球の寿命を縮めるようなことを人間はするべきではありません。
現在、地球の最終ごみ集積場のようになっているのが海底です。海底に流れ込む前に、まずは陸上の行動を変えましょう。そうすることで、ここからの未来が変わってくる可能性は十分あると思います。

〈難波〉そうですよね。2050年には海にいる魚の重量よりも、海に漂っているプラスチックの重量の方が重くなるというデータが示されています。ただ、今から行動したら食い止めることができるかもしれません。そのようなことを知ることがアクションを起こす一つのきっかけになります。

〈高橋〉例えば、陸上競技で3千メートルを9分で走る目標があるとします。そのためにはトラック1周を何分で走らなければならないのか。しっかり目標を立てなければやるべきことも見えてきません。それがSDGsの基本の考え方だと思います。
イセエビやサザエ、魚などの海の生き物は地球温暖化やごみが増えてくると、捕れなくなったり、値段が上がったりします。そうなると漁業関係者も困りますし、いろいろな意味で自分たちにも跳ね返ってきます。
だから、みんなで一番良い時代の海に戻そうとする意識を持てば、必然的にごみを捨てなくなるし、見つけたごみを拾おうという気持ちにもなる。親から子、孫までが、そういう気持ちを持ってくれたら、今よりも良い環境の海に戻せるのではないでしょうか。

〈難波〉このままだと私たちが今食べている魚が20、30年後は食べられなくなるかもしれないと指摘されています。「好き」な延岡を「すてき」にしていくために、私たち一人一人が携えながら手を入れていきましょう。


◆24日、延岡星雲高生とパネルディスカッション

−−現在、学校でもSDGsに関する取り組みが盛んです。きょうは延岡星雲高校の生徒の皆さんからメッセージが届いています。

〈延岡の海を盛り上げ隊〉延岡星雲高校2年生の「延岡の海を盛り上げ隊」です。私たちは総合的な探究の時間を利用して、「ごみが見えなくなる前に、20年後の私たちの未来が安全で平和であるように」をコンセプトに、延岡に「海の家」をつくることを目標に活動しています。
そこで、7月24日午前10時から税田さん、難波さんと「海の豊かさを守ろう」というテーマでパネルディスカッションをします。延岡市駅前複合施設エンクロスで行われます。定員20人で現在、エンクロス(電話延岡20・3900)で予約を受け付けています。
このパネルディスカッションをきっかけに、私たちと一緒に未来のために今、自分たちにできることを考えませんか。私たちも準備に取り組む中で税田さん、難波さんと打ち合わせをさせてもらい、SDGsへの関心を高めることができました。また、地球のさまざまな問題を自分事として捉えることができてきました。SDGsをもっと身近に。気軽に参加してください。

−−そして現在、延岡市駅前複合施設エンクロス2階で、この番組「ココカラSDGs」のゲスト推薦の本を紹介しています=写真=。ぜひ足を運んでみてください。

−−最後に、リスナーの皆さんへメッセージをお願いします。

〈税田〉難波さんはよく「地球はすべてつながっている」と話されます。私も共感します。一見つながりがなさそうな清掃業の世界で生きる私と、海の世界で生きる高橋さんとの間に、いろいろな人が間接的に関わっていて、きちんとつながっていることをきょう改めて確認できました。皆さんも地球が喜ぶことを何か一つ考えたいという気持ちになってくれたらうれしいです。

〈高橋〉僕たちはSDGsと言わない時代から、自分の仕事場を守りたいという一心で活動してきました。また、守っていくことが延岡市民や将来の子どもたちにとって、プラスになることだと思って取り組んできました。
今回、SDGsというテーマで話をさせてもらう機会があり、難波さんや税田さんにも会うことができました。こういう話をダイバー仲間以外と話すことはあまりなく、それをラジオを通して発信できたことはとてもありがたかったです。
僕は少し前まで変わり者と言われていました。「延岡が大好き」と言ったら、恥ずかしいとか駄目だとか、そういう雰囲気がありました。延岡が好きだ、すてきだと言うことは決して恥ずかしいことではないし、自分の生まれた、住んでいるまちをもっと好きになってもらいたい。好きになってみんなで「すてき」に変えていけたら、ごみは必然的に減り、この地球も良くなります。協力できたらと思っています。

〈難波〉「すてき」にしていくことが私たちの役割ですね。50年後、100年後、1000年後、「あの人たちがいたからこんなにすてきな延岡が残った」と胸を張ってもらえるように、楽しみながら取り組んでいけたらと思います。

【第4回の出演者】
〈ゲスト〉延岡マリンサービス(延岡市)の店長・高橋勝栄さん、グローバル・クリーン(日向市)の専務・税田倫子さん。
〈アドバイザー〉SDGsコミュニケーター難波裕扶子さん(日向市)
〈ナビゲーター〉松田祐子さん(FMのべおか)

□第4回の再放送□
22日午後8時、25日午前11時からの2回

(おわり)

□第5回の内容□
〈テーマ〉持続可能なまちづくり×SDGs
〈ゲスト〉延岡市長の読谷山洋司さん、旭化成マーケティング&イノベーション本部の井手上尚弘さん
〈放送日〉8月19日午後1時から
〈再放送〉8月26日午後8時から、同29日午前11時からの2回

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