五ケ瀬川、水質良好

８年連続全国トップクラス

◆水質が最も良好な河川−国交省

　国土交通省は１日、全国の１級河川１５９河川のうち、同省が直轄管理する区間の２０２０年水質現況について、五ケ瀬川など１８河川が「水質が最も良好な河川」に判定されたと発表した。五ケ瀬川は８年連続の選出。全国トップクラスの水質を保持し、「清流」にふさわしい結果となった。

　調査は１９５８年から１級河川を対象に実施。河川の水質を表す一般的な指標のＢＯＤ（生物化学的酸素要求量）を１年間測定し、平均値を河川ごとに集計して水の「きれいさ」を判定している。

　五ケ瀬川水系は三輪（五ケ瀬川）、松山橋（同）、大瀬橋（大瀬川）、中州合流点（祝子川）、白石（北川）の５地点で月に１回、ＢＯＤを測定。その結果、全調査地点の年平均値などで基準を満たした。経年的に見て水質は改善傾向にあり、近年は良好な状態を保っている。

　良好な水質は、同省延岡河川国道事務所が行っている水生生物調査でも証明された。昨年は小学生が９１人参加し、大瀬橋（大瀬川）、小川・永代橋（北川）の２カ所で実施。カワゲラ類、ナガレトビケラ類、ヒラタカゲロウ類などが確認され、両地点とも「きれいな水」と判定された。

　良好な水質が証明された１８河川のうち、九州は五ケ瀬川のほか、小丸川水系小丸川、球磨川水系川辺川（熊本）の３河川が選ばれた。川辺川は１５年連続の選出。

【ＢＯＤ】水質汚濁を示す代表的な指標。水質関係の各種法令で規制項目として採用されている。水中の汚濁物質が、水温２０度で５日間のうちに、微生物によって酸化分解される過程で消費される酸素量を示す。数値が低いほど良好な水質であることを表す。