安全安心促進へ期成会

延岡南部地区住民らが設立

◆国道１０号−朝夕の渋滞解消を

　延岡市の南部地区（伊形、一ケ岡、土々呂）で発生している朝夕の渋滞や慢性的な混雑の抜本的な解決に向けて、地元住民らがこのほど、延岡南部地区の渋滞解消および安全・安心促進期成会（会長・稲吉悦夫伊形地区区長会会長）を設立した。渋滞解消や国道１０号延岡南道路の利用促進に向けて関係機関に要望活動を行う。

　同地区は、高度成長期に開発された宅地造成によって住宅環境が整備された。生活道路の沿線には伊形、一ケ岡、土々呂各小学校と土々呂中学校があり、現在は合計１２００人以上の児童・生徒が通っている。

　一方、幹線道路の国道１０号に交通が集中し、片側１車線の延岡市塩浜町―門川町加草間では朝夕の渋滞や慢性的な混雑が発生している。その渋滞を避けるため、同地区内の生活道路に自動車が流入。道路の幅員が狭い上に歩道が整備されていない通学路もあり、通行車両が児童に接触する事故も起きているという。

　これまで、区長らが道路を管理する県や市などに解決策を要望してきた。一部の道路にラバーポールが設置されるなど安全対策は進められているが、抜本的な解決には至っていない。

　同地区の生活道路（県道、市道）や通学路などの渋滞解消・安全性向上を図ろうと今年６月、伊形、一ケ岡、土々呂の各区長会会長と小中学校４校のＰＴＡ会長で同期成会を設立した。延岡南道路の利用促進を図り、生活道路に流入する地区外からの通行車両の減少につなげ、安全性が向上するよう関係機関に対策を求めていく。

　具体的には、延岡南道路の通行料金の値下げによる国道１０号延岡南道路の利用促進を求める。同期成会によると、２０１０年から約１年間行われた高速道路無料化社会実験では、対象の延岡南道路が無料化した間、生活道路への車両の流入量が減ったという。

　稲吉会長は「現状をどう打開するか。住民の生の声を届けていきたい」と話している。