「＼(^o^)／げんき！」日向市塩見小

運動場下、のり面に浮かぶ文字

◆技術員の黒木さん−「地域を笑顔に」

　日向市の塩見小学校（戸高哲朗校長、全校児童１１８人）の運動場下ののり面に、顔と「げんき！」の文字が浮かび上がり、子どもたちや地域の人たちを笑顔にしている。

　雑草を利用して浮かび上がらせたもので、手掛けたのは同校の技術員・黒木弘さん（５８）。同校に勤務するようになった４年前から「校内の環境整備を通して、何か子どもたちを喜ばせることができないか」と考えていたという。

　運動場下ののり面沿いには子どもたちが登下校で歩く道があり、のり面は地域の人たちが利用する向かいの道路からもよく見える場所にある。

　あるとき、草刈り作業中にふと「せっかく刈るのなら」と思い立った黒木さん。「いつも元気な塩見小の子どもたちが、さらに元気になるように」と、笑顔の絵文字と「げんき！」の文字を図案化した。

　具体的には、のり面全体を撮影した写真を紙に印刷。のり面の上部にあるフェンスを目印に間隔を取りながら一文字ずつ図案化し、それを基に、のり面に石灰をまいて下書きし、草刈り機で文字周りの雑草を刈り取った。

　のり面の足場は斜めになっているため、立って踏ん張るだけでもひと苦労だが、文字の線が直角に交わる部分は、草刈り機の歯を立てて刈り取るなど工夫しながら、今年６月初めに完成させた。

　子どもたちが大喜びしたのはもちろんのこと、気付いた地域の人が「面白い発想ですね」と、わざわざ同校に伝えに来てくれるなど、思わぬ反響に「びっくりしています」と笑顔の黒木さん。文字が埋もれてしまわないよう、夏休みに入った今も２週間に１回、汗をぬぐいながら文字周りの草刈りを続けている。