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人権尊重の社会づくり条例制定へ−県

本紙掲載日:2021-08-05
2面
「県人権尊重の社会づくり条例(仮称)」の第1回検討委員会

来年3月施行目指し初会合−検討委

 県は、県民が相互の人権を尊重し、あらゆる差別や偏見のない社会づくりを進めるため、「県人権尊重の社会づくり条例(仮称)」の制定に取り組む。条例施行は来年3月を予定。検討委員会の初会合が7月29日、宮崎市の宮崎市民プラザで開かれ、条例に盛り込むべき基本的な内容などについて委員が意見交換した。

 委員は県市長会や県町村会、県社会福祉協議会や人権擁護委員連合会など関係機関・団体の代表、弁護士、学識経験者ら計7人で構成。南九州短期大学名誉教授の佐保忠智氏を座長、県社会福祉協議会副会長の川野美奈子氏を座長代理に選んだ。

 会合では県が、制定済みの都府県の条例などを参考にイメージとして作成した前文と八つの条文(目的、基本理念、県の責務、市町村との協働、県民および事業者の責務、人権教育・啓発推進方針など)を提示、委員が内容や検討課題などについて意見を交わした。

 委員からは「宮崎県や県民性を表す柔らかい表現を前文で出しながら、条文では差別は絶対に許さないとしっかりと明記すべき」「誰もが分かる伝わりやすい文章で表現した方が良い」「条例の実効性を高めるため、県民への周知方法に工夫が必要」などの意見が出されていた。

 県人権同和対策課によると、人権全般の尊重をうたった同様の条例は鳥取県で1996年8月に制定されて以降、東京都や大阪府、福井県、愛媛県など13都府県(今年4月時点)が制定。九州では98年4月に佐賀県、2008年12月に大分県が制定している。

 県は今後、今月の第2回検討委員会での意見などを盛り込んだ上で条例骨子案を作成し、県議会9月定例会総務政策常任委員会に報告。パブリックコメントで県民の意見を聞いた後、第3回検討委員会、法令審査会を開き、来年の県議会2月定例会に議案を提出し、3月の条例施行を目指す。

 検討委員会では冒頭で河野知事があいさつ。「条例制定に当たっては本県の実情やインターネット・SNS(会員制交流サイト)など時代の変化に対応した内容、条例を運用していく体制が非常に重要と考えており、そこを含めて意見や示唆をお願いしたい」と話していた。

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