災害発生時、どう行動－延岡工高

本紙掲載日：2021-08-05

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地図とハザードマップを照らし合わせ、危険な場所、安全な場所を探す延岡工高の生徒たち

陸上自衛隊による救助の実演

救助の写真や、自衛隊車両の展示会

地震・津波想定し避難訓練

　災害に対する認識を深めようと、県立延岡工業高校（安楽耕三校長、７１４人）はこのほど、自衛隊や消防、地域の人らを招き、地震発生による大津波警報の発令を想定した大規模な避難訓練を実施した。

◆自衛隊、消防、地域住民も参加

　警報発令のサイレンが鳴ると、生徒、教職員らは校内各棟の最上階に避難。廊下やベランダにずらりと並び、警報解除のアナウンスを待った。地元の北緑ケ丘地区の訓練も並行して行い、４０人近くの住民たちが視聴覚室に逃げ込んだ。

　その後、グラウンドでは陸上自衛隊都城第４３普通科連隊の隊員が、校舎の屋上から綱を伝って負傷者を抱えながら下りる「背負い搬送」や、壁を垂直に走りながら下りる「戦闘懸垂」などを実演した。このほか、災害派遣の様子を捉えた写真や、自衛隊車両の展示もあった。

　訓練に参加した北緑ケ丘地区の花畑周二郎区長は「全員の避難には１５分ほどかかった。とりあえず早めに逃げられることが分かって一安心。南海トラフ地震がいつ起こるか分からないので、危機感を強めていきたい」と話していた。

◇災害図上訓練も

　訓練後は、ＤＩＧ（ディザスター・イマジネーション・ゲーム）と呼ばれる災害図上訓練も実施した。

　生徒たちは各クラス６班に分かれて、学校周辺の地図と津波ハザードマップを見ながら、危険と感じる場所や自分の身を守れる場所・物について話し合い、「工場が多くある所、駅の近くが危ない」「愛宕山は高い場所なので身を守れる」など意見を出し合いながら地図上に付箋で貼り出した。

　さらに、緊急地震速報や大津波警報が発令された時はどのように行動すればいいか、災害が起きた時、国道１０号沿いの飲食店にいたらどこに避難するのが最良か、意見を出し合った。

　生活文化科３年の髙橋葵さんは「自衛隊の訓練はかっこ良かった。災害が起きた時、どこに逃げるか、今まで考えたことがなかったので、とても有意義な時間になった」。

　生徒指導主事の西川和弘教諭は「今までも避難訓練や講話は行ってきたが、ここまで大規模に開催したのは初めて。生徒たちの防災意識を掘り起こすことにつながったのではないか」と話していた。

　また、市防災推進員の濱方康広さんは「津波ハザードマップを見ると、危険な場所が自分の想像と違ったりする。正しく安全な場所を理解して避難できるようにすることが大切。身近な災害リスクに備えてほしい」と、ハザードマップの有用性と対策を考えることの重要性を生徒らに伝えた。