本県開催、ＭＩＣＥ９割減

コロナ禍、会議など直撃

◆参加者−集計開始以降最少の４８３８人

　県は、県内で昨年度に開催されたＭＩＣＥ（広域会議や展示会など）の実績をまとめた。新型コロナウイルス感染症による延期・中止が相次いだことで、開催件数は前年度比約９割減の２０件、延べ参加者数は１９９７年の集計開始以降最少の４８３８人となった。

　ＭＩＣＥは多くの集客が見込めるビジネスイベントの総称で、企業の会議（Ｍｅｅｔｉｎｇ）、報奨・研修旅行（ＩｎｃｅｎｔｉｖｅＴｒａｖｅｌ）、国際会議（Ｃｏｎｖｅｎｔｉｏｎ）、展示会・イベント（Ｅｖｅｎｔ）の頭文字から取った造語。

　観光経済交流局によると、開催件数は２７１件だった前年度に比べ９２・６％減。口蹄（こうてい）疫などの影響を受け、集計を開始して以降で最も少なかった２０１０年度の１６６件を大きく下回った。２０件の内訳は全国規模１４件、九州規模６件。

　延べ参加者数は、集計開始以降最少だった１９年度の１４万８８２７人と比べ９６・７％減と大幅に減少。４８３８人の内訳は全国規模が３１４３人、九州規模が１６９５人。昨年度は国際規模と西日本規模の会議やイベントの開催はなかった。

　県は今年度、感染症対策によるＭＩＣＥの小規模開催や、会場とオンラインを組み合わせたハイブリッド開催などを後押しするため、県内の宿泊施設を対象に施設改修や機材導入の経費の一部を補助するなど支援策を拡充している。

　同課は「ＭＩＣＥ開催の環境の変化を踏まえた誘客などに取り組むことで、回復につなげていきたい」と話している。