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10月9日に天下一薪能

本紙掲載日:2021-08-23
1面
第24回のべおか天下一薪能のリーフレット

再開に喜びと感謝−感染対策を最優先に

◆延岡市の子ども5人も出演

 秋の夜に「千人殺し」の石垣を背景に幽玄の世界へといざなう「第24回のべおか天下一薪能(てんがいちたきぎのう)」が10月9日午後5時30分から、延岡市の延岡城址(し)二の丸広場で行われる。主催は、NPO法人のべおか天下一市民交流機構(松下宏理事長)など。1997年から毎年続けられており、昨年は国文祭・芸文祭みやざき2020分野別フェスティバルの一つとして予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で演目などはそのままに1年延期された。出演は観世流能楽師シテ方の片山九郎右衛門さん、大蔵流狂言師の茂山千五郎さんら。同機構は「再開できることの喜びと感謝を込めつつ、安心して楽しんでいただくため感染対策を最優先に取り組む」としている。(7面に関連記事)

 演目は、同薪能では初公演となる能「橋弁慶(はしべんけい)」、2005年以来2度目の公演となる能「葵上(あおいのうえ)」、千五郎さんらによる狂言「仏師(ぶっし)」。

 同市の子ども(小学3年生〜高校2年生)5人も出演し、3人が仕舞「嵐山(あらしやま)」「羽衣(はごろも)」を披露、2人が「橋弁慶」で牛若丸(子方)役と武蔵坊弁慶の従者(トモ)役に挑戦し、弁慶(シテ)役の九郎右衛門さんと共演する。

 「橋弁慶」は、よく知られる牛若丸と弁慶の五条大橋での出会いを描いた曲で、後半の激しい戦いの場面が最大の見せ場。

 「葵上」は源氏物語の「葵」の巻を元にした曲で、光源氏の正妻・葵上に嫉妬し、鬼にならざるを得なかった六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)の深い悲しみが描かれる。今回は「梓之出(あずさので)」「空之祈(くうのいのり)」の小書き(特殊演出)で公演される。

 「仏師」は、詐欺師が田舎者の男をだまし、仏師を名乗って仏像作りを引き受ける。自分が仏像になりすまし、男に言われて形を直すうち正体がばれてしまう――という話。

 雨天時は同市東浜砂町の延岡総合文化センターに会場を移す。日時に変更はない。

 チケットは指定S席8千円、自由A席5千円。はがき、ファクス、メールのみで受け付けている。指定SS席1万円は完売した。詳しくは同交流機構(電話延岡33・0248)へ。

 また、新型コロナウイルス感染防止のため、座席を従来の半数となる650席に限定し、入場の際は検温、手指消毒、マスク着用、名簿作成などの対策を徹底する。

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