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デルタ株の脅威訴え−県医師会

本紙掲載日:2021-08-28
1面
県内のコロナ対応の実情を語る医師ら(27日、宮崎市)

県の行動要請に協力を

◆治療法、抗体カクテル療法に期待

 県内で感染者数の高止まりが続く中、県医師会(河野雅行会長)は27日、宮崎市内で会見を開いた。専門医がデルタ株の脅威や県内医療の実情を語り、県の行動要請への協力と、ワクチン接種を強く呼び掛けた。

 感染拡大が続く中で、県民に正しい情報を伝えたいと開催。河野会長、濱田政雄副会長、宮崎大学医学部付属病院の鮫島浩院長らが出席した。

 宮崎大学医学部内科学講座の宮崎泰河教授が、コロナ患者への治療法を解説。症状について、医師の立場では「軽症は酸素はいらない。中等症は人工呼吸器はいらないが、肺炎が広がり、人生で一番苦しいほど。重症は助からないかも」と、一般のイメージとの違いを表現した。

 治療法は確立されつつあり、宮大でも新たに導入された抗体カクテル療法は「肌感覚だが、重症化抑制に一定の効果があるのでは」と期待した。

 宮崎市郡医師会病院管理総括部長を務める山村善教副会長は病院での実例を挙げながら、普段の診療、スタッフの家庭生活で新型コロナ感染の脅威が近づいていると説明。ワクチン接種や訪問看護ステーションなどさまざまなコロナ対応業務を行う医療従事者それぞれが、綱渡り状態であることを説明した。

 医師らが強調したのが、夏休み明けの学校など教育現場での感染拡大の脅威。吉田建世常務理事(延岡市)は「感染力の強いデルタ株は、狭い教室の中で1人の感染者がいれば、かなりの確率で集団感染になる。県医師会として、県や県教委にさらなる対策を要望していきたい」と語った。

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