一日事務所長に永谷さん（恒富中３）

国交省延岡が委嘱−業務を体験

　第４３回全日本中学生水の作文コンクール（国土交通省など主催）で最優秀賞の内閣総理大臣賞を受賞した延岡市立恒富中学校３年の永谷和希さん（１５）が８月２６日、国交省延岡河川国道事務所の「一日事務所長」を務め、業務を体験した。

◆水の作文コンクールで最優秀賞

　この日は同市大貫町の同所で委嘱状交付式があり、永谷さんは防災服姿で出席。甲斐靖志所長から委嘱状を受け取り、「１日事務所長」と記されたたすきが掛けられると、「体験を楽しみにしていた。深く学んで日々の生活に生かしていきたい」と抱負を述べた。

　この後、早速、所長室で電子決済を体験し、甲斐所長に決済の仕組みなどを教わりながら〃初仕事〃。災害時に職員が集まって協議する防災室では、管内の河川や道路の様子を映し出したモニターなどを見学。担当職員から仕事内容や役割などの説明を受けた。

◇ダム見学、役割・仕組み学ぶ

　午後には、同市北川町川内名の祝子ダムへ。ダムを管理する県の担当者から、毎日来てダムの管理を行っていることや、盆前からの長雨で放流が続き、２４時間３交代制の勤務が１７日間も続いたことなど説明を受けた。また、祝子ダムの概要や、ダムには治水、利水、発電などの役割があることなどを学んだ。

　続けて、永谷さんは専用のパソコンを操り、水門を開けて水の放流を体験。ボートに乗り、ダムのコンクリートに異常が無いかや、水深ごとの温度計測など日々の点検作業も体験した。

　沖田ダムのそばに住む永谷さんは「祝子ダムとの違いを比較してみたかった」とダム見学を希望したという。実際に沖田ダムよりも大きな規模のダムを見学し、「広さが違ったし、仕組みを知ることができた」と満足顔。「治水や発電について初めて知った。ダムで働く人の大変さが分かった」と話した。

　永谷さんが内閣総理大臣賞を受賞した全日本中学生水の作文コンクールは、「水の日」（８月１日）「水の週間」（同１〜７日）の行事として毎年実施。今年度は全国から１万３０２５編が寄せられた。