五ケ瀬町、新庁舎で内覧会

町民ら開庁前の施設をじっくり見学

　五ケ瀬町三ケ所に移転新築された町役場新庁舎で１１、１２日、町民を対象にした内覧会が行われた。子どもからお年寄りまで幅広い世代が訪れ、開庁前の庁舎内部を見学した。

　新庁舎は１９７２年に完成、９０年に増改築された現庁舎の隣接地に整備。鉄筋コンクリート造り（一部鉄骨造り）の３階建てで、延べ床面積は現庁舎の約１・４倍の３３１３平方メートル。庁舎本体の工事費は約１５億３６００万円。「町民に開かれた誰もが使いやすい庁舎」「町民サービス・事務効率の向上を目指した機能的な庁舎」「議会活動を推進する場」「町民の安全・安心な暮らしを支える拠点としての庁舎」「簡素で効率的、経済的な庁舎」をコンセプトに建設された。

　過去の浸水被害や２０１６年の熊本地震を教訓に、防災拠点としての機能を強化。現庁舎より３メートルほど高い場所に建てられたほか、震度６強の地震に耐える構造で７２時間電源を供給できる自家発電機を完備する。２階には災害時の対応拠点となる災害対策室を備えた。また、３階の議場は椅子や机は可動式で、避難所などとしても使用できるという。

　内装や外観には町産のスギやヒノキなど７５立方メートルを使用。至る所で木のぬくもりを感じられる。また、現庁舎にはなかったエレベーターも整備。１階ロビーには吹き抜けの町民スペースも設けられている。

　内覧会には２日間で約４２０人が訪れ、町職員の案内で庁舎内を巡り、「開放感がある」「すごい」などと話しながら興味深そうにじっくりと見学。初日に訪れた唐仁原浅吉さん（９５）＝鞍岡＝は「あちらこちらにあった窓口が一つの建物に入って便利。水害など災害の時にも大丈夫そうだし、木材も使ったりといい建物ですね」などと話した。

　現庁舎での業務は２７日で終了。新庁舎は２８日に開庁する。