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SDGs「互いの考え尊重を」

本紙掲載日:2021-09-15
8面
北方学園中で行われたSDGsに関する講話
班ごとに発表するテーマについて話し合う生徒たち

富山さん(JICA)講話−北方学園中

 延岡市立北方学園中学校(三樹浩二校長、60人)の1年生22人は10日、JICA(国際協力機構)九州国際協力アドバイザーの富山隆志さんを招き「SDGs」に関する講話を聞いた。総合的な学習の一環で、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)への理解を深め、生活との結び付きを考えた。

 富山さんは県立延岡工業高校の元校長で、現在は開発途上国が抱える問題解決に向けて活動している。講話は、教職時代に親交があった三樹校長の働き掛けで実現し、世界が抱える問題の現状と今後の課題、解決に向けた取り組みなどについて解説した。

 冒頭、富山さんは自身が訪れた中で最も印象に残っているというフィリピンのごみ山の写真を見せ、現地の子どもが置かれている現状を説明。そこで聞いた「大人になるまで生きたい」という言葉が忘れられないと話し、家計のため1日50円にも満たない収入を得ようと、危険な環境でごみを拾う子どもがいることを伝えた。

 また、地球温暖化や貧困など、さまざまな問題の根底にあるのは人口爆発だと強調。2000年に60億人だった世界人口が、25年には80億人を超えるというデータを示し、「若い世代がより良い未来について考えることが大切」と呼び掛けた。

 講話後、生徒たちは4〜5人の班に分かれて話し合い、SDGsの17項目から興味を持った一つを選んで発表。項目と絡めて「北方の自然を守りたい」など、地元を思う声が多く上がっていた。

 富山さんは「SDGsの推進には、お互いの考えを尊重することが不可欠。しっかりと話し合い、全員が納得できる答えを見つけてほしい」と激励。

 貧困問題に注目したという永友はずきさん(13)は、「私たちが豊かに暮らしている一方で、貧困に苦しむ人も大勢いる。講話を生かして問題解決に貢献したい」と話していた。

 今後は、10月9日の清流祭で行うポスターセッションに向けて学びを深めるほか、保護者や他学年生との意見交換などを通じて、SDGsの輪を広げていく。

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