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医療従事者に感謝の「ヒンメリ」

本紙掲載日:2021-09-28
8面
ヒンメリを贈呈した川岸さん(左)と榎本院長(24日、延岡市大貫町)

フィンランド伝統の装飾品

◆川岸さん(別府町)が大貫診療所へ

 延岡市別府町在住で、北欧フィンランド伝統の装飾「ヒンメリ」作家の川岸香さん(46)が24日、コロナ禍で奮闘している医療従事者を激励するため、同市大貫町の大貫診療所(榎本雄介院長)を訪問、手作りのヒンメリを贈った。

◆コロナ禍の奮闘にエール

 ヒンメリは均等の長さに切った12本のライ麦のわらに糸を通して作った、正三角形を組み合わせた八面体の装飾品。フィンランドは日照時間が短く、一日中、太陽が昇らない「極夜」もあるが、ヒンメリは限られた太陽の光を浴びて輝く様子が美しく、フィンランドの人たちは自然を敬い、さまざまな願いを込めながら制作する。欧州を中心にクリスマスの飾りとして広く定着しており、日本でも近年、インテリア雑貨として広がりをみせているという。

 今回の寄贈は、川岸さんの師匠で都城市在住のヒンメリ作家徳留ひと美さんが、医療従事者にエールを送るために始めた「祈りのプロジェクト」の一環。

 徳留さんは県央部と県南部の医療機関を対象に活動、これまでに宮崎市と都城市の医療機関にヒンメリを贈呈している。川岸さんは都農町以北の地域でこの活動のリーダーを務めている。

 県北での贈呈先は同診療所が第1号。地域医療に力を入れ、往診や昼夜を問わない自宅での「みとり」に取り組んでいる榎本院長の姿勢を知り、「ぜひ、最初に受け取ってほしい」と申し入れたという。

 贈呈式は同診療所であり、川岸さんが榎本院長に作品を贈呈。大小のヒンメリ約50個を組み合わせた縦96センチ、横72センチの大作で、川岸さんが作った物を中心に、自身が主催したワークショップの参加者が作った物を組み合わせたという。

 榎本院長は「患者さんやスタッフの癒やしになると思う。何よりもお気持ちがありがたく、励みになる」と笑顔でお礼。川岸さんは「すべての人の安寧を願い、祈りをささげるお守り。コロナ禍で、医療の最前線にいる方々への感謝の気持ち。笑顔で受け取っていただけてうれしい。こちらを第1号に、他の医療機関にも受け取ってもらえるよう作り続けたい」と話していた。

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