中島弘明氏に市民栄誉賞−日向市

メディキットの創設者−２０日に授賞式

　日向市は１０月２８日、医療機器の開発、製造、販売を手掛ける医療機器メーカー「メディキット」（本社・東京）の創設者、中島弘明さん（８６）＝同市亀崎＝に市民栄誉賞を贈ることを決めた。

　中島さんは、１９７１年に同社の前身となる中島医療用具製作所を出身地の東郷町に設立。血管カテーテルの専門メーカーとして、医療を通じて社会に貢献することを経営理念とし、常に品質の高い製品を医療現場に提供。同業界では国内トップシェアを誇る。

　また、同社は７００人を超える従業員を地元から採用しており、特に同町の日向第２工場は日向東臼杵圏域の雇用の場として地域づくりにも大きな役割を果たしている。

　その他、２０１２年にルノワールや横山大観らの貴重な絵画、陶器などを展示する常設美術館「中島記念館」を同町に開館。芸術文化振興、青少年の情操教育に尽力する一方、若手画家などの人材育成にも力を注ぐ。１８年に市文化賞を受賞した。奨学金事業を行う中島育英奨学会の設立、医療の研究開発助成金事業にも取り組むなど、これまでの幅広い功績が認められた。

　同日に開かれた定例記者会見で十屋幸平市長は「これまで顕彰する機会がなかった。市制施行７０周年を契機として中島さんの功績をたたえたい」と表彰理由を説明した。

　同賞は、市民に夢と希望を与え、社会に進歩と活力をもたらし、広く市民に敬愛される人を表彰する制度。これまでに０８年に東京ヤクルトスワローズの青木宣親選手、元プロ野球選手で現在は野球解説者の黒木知宏さん、１８年に青木選手が２度目となる同特別賞を受賞している。

　授賞式は今月２０日に市文化交流センターで行われる市制施行７０周年記念式典の席上で行う。