ＣＦプランコンテスト−最優秀賞に０９８２

「廃校遺産写真集」出版を提案−延岡市

　延岡市主催の「クラウドファンディング（ＣＦ）プランコンテスト２０２１」がこのほど、市役所講堂で開かれ、４組（３個人１団体）が出場、延岡を盛り上げるための取り組み案を発表した。プランの創造性、実現性、完成度などを基準に審査し、０９８２株式会社（馬場和久代表）が最優秀賞に輝いた。

　ＣＦは、自らのアイデアや思いを〃起案者〃として発信し、インターネットを介して不特定多数から資金を得る手法。同コンテストは、市民団体や企業などの新たな資金調達手段としてＣＦの活用を促し、地域の活性化や課題解決に向けた革新的アイデアを支援する目的で開かれた。

　最優秀賞を受賞した０９８２株式会社のプランは「廃校遺産写真集『学び舎の記憶〜のべおか廃校遺産２０２２』を出版します」。過疎化や少子高齢化に伴う廃校の統計データを基に卒業生や地域住民の思い出を守る取り組みをアピールした。

　文部科学省の統計によると、２００２〜１７年度の廃校数は全国で７５８３校に上り、１４年度には市内でも美々地小学校など７校が統廃合している。こうした現状を受け、国は「みんなの廃校プロジェクト」を立ち上げて校舎の利活用を進めているが、内装の変化や校舎が解体される可能性も依然としてあることから、現存の風景を残し、伝えるために写真集の製作を決意したという。

　発表で、馬場代表は「学校は昔から地域の活力源であり、校舎や校庭には多くの子どもが過ごした形跡が垣間見える。現存の風景を廃校の歴史と合わせて紹介することが、地域の歴史をひもとき後世に伝えることにつながると確信している」と力強く語った。

　このほか、優秀賞に鈴木啓次良さんの「延岡からＩＣＴを使った新しい炭づくり〜日向備長炭の発展のために」。アイデア賞に田邉睦美さんの「延岡隠れ〃手八丁〃発掘プロジェクト〜栄町に客足を再び！」、森徹夫さんの「ＮＯＢＥＯＫＡＺｅｒｏＥｍｉｓｓｉｏｎＰｒｏｊｅｃｔ〜延岡から始まる企業（産業）のごみゼロ成長計画」が選ばれた。

　最優秀賞と優秀賞受賞者には、特典として提案プランに基づいたＣＦを実施した際の手数料を市が補助する。馬場さんは「以前から考えていた企画だったので一日も早く発刊にこぎ着けたい」と話していた。