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最大限の警戒を−鹿児島県で鳥インフル

本紙掲載日:2021-11-17
1面
オンライン含め約120人が出席した鳥インフルエンザの緊急防疫会議

県が緊急防疫会議−11月に南九州は初

◆1シーズンに国内ウイルス2種も

 鹿児島県などで高病原性鳥インフルエンザウイルスが発生したことを受けて県は15日、県庁で緊急防疫会議を開いた。県は、渡り鳥のシーズンを前に警戒を呼び掛けていたが、国内は過去に例がない危機的状況になっているとみており、最大限の警戒を呼び掛けた。

 県は先月28日、渡り鳥シーズンを前に連携会議を開いて、警戒を呼び掛けたばかり。今回はオンラインを含めて、養鶏関係者、JA、市町村などの約120人が参加した。

 県家畜防疫対策課によると、今年9月中旬から営巣地のロシアで野鳥からウイルスが検出されたのを皮切りに欧州で発生を確認。韓国でも今月初旬、2例の発生が確認された。

 国内では今月10日に秋田県、13日と15日に鹿児島県出水市の養鶏場で発生。解析の結果、秋田県と鹿児島県のウイルスは、H5N8亜型、H5N1亜型で別のウイルスだったことも分かった。

 同課では、11月中に南九州で発生が確認されたことと、国内で1シーズンに2種類のウイルスが確認されるのは初めての事態と認識。今季も過去最悪の発生状況だった昨年同様、厳重な警戒が必要とみている。

 三浦博幸県畜産新生推進局長が「最大限の注意を呼び掛けていたが、鹿児島県で発生し、いきなり防疫レベルをトップレベルに上げなければならない」とあいさつ。

 県内の全935農場すべてで10月末までに立ち入り指導を実施。不備があった農場についても、早急に改善の完了を確認している。また、水辺の近くなどリスクが高い農場への再巡回も行っているとした。

 同課は、養鶏関係者に対し、農場周辺の発生予防対策を改めて呼び掛け。丸本信行課長は、人や車両の消毒徹底や、野生動物対策の具体例を挙げ、「今年はウイルス量が多いと想定される。今できることを、これまで以上に頻度を上げて、今すぐにやってほしい」と危機感をあらわにしていた。

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