椎葉村消防団に総理大臣表彰

昨年の台風災害で被害軽減活動−県庁で伝達式

　昨年９月の台風１０号災害の被害軽減などに貢献したとして、椎葉村消防団（椎葉吉人団長）が、２０２１年防災功労者内閣総理大臣表彰を受賞した。１７日、県庁で表彰伝達式が行われ、椎葉団長が河野知事から表彰状の伝達を受けた。

　椎葉村消防団は、台風１０号の大雨に伴う災害に際し、延べ１０１１人態勢という総力を挙げて住民の避難誘導や安全確保、人命救助・捜索活動、被災家屋の土砂の除去など計１９日間にわたって活動した。その被害軽減への大きな功績が認められての表彰。

　同村では、この台風の大雨の影響で、村内の建設会社の裏山が崩れて事務所などが土砂に押し流され、社長の妻と息子、ベトナム人技能実習生２人の計４人が犠牲となる災害が発生。消防団は周辺の河川などの捜索にも全力を挙げた。

　伝達式には、椎葉団長や黒木保隆村長ら関係者が出席。知事が「献身的な防災・減災への尽力に敬意を表する。消防団は地域防災の要で役割は極めて重要。消防団のモデルとなり、励みとなる活動だったと考えている」と激励した。

　椎葉団長は、「今回受賞ができたのは国や県はもとより、多くの皆さんの献身的な支援、力添えのたまものと思っている。今後も災害の教訓を風化させないためにも、消防団の防災活動になお一層力を入れていきたい」と謝辞を述べた。

　椎葉村消防団はこれまで、災害の被害軽減などの功績で県知事表彰（防災功労）、消防庁長官表彰（同）、国土交通大臣表彰（土砂災害防止功労）などを受賞。内閣総理大臣表彰（防災功労）は２００６年に続き２度目の受賞となる。

　また、団は２１日、台風１０号で４人が犠牲となった土砂災害箇所の下流域の河川などで、１８０人態勢による一斉捜索を計画している。

　表彰状は例年、内閣総理大臣から直接授与されるが、新型コロナウイルス感染症対策で表彰式が中止となったことから、知事が伝達した。