無料検査、無症状が前提−延岡医薬分業支援センター

対象外の問い合わせ殺到−ＰＣＲ検査センターとは別

◆症状ある人は来所しないで

　県民を対象にした新型コロナウイルスの無料検査が始まって以降、延岡市大瀬町の延岡医薬分業支援センター（以下、延岡医薬）に問い合わせが殺到しており、通常業務に支障が生じている。検査対象外の人や別の実施場所と勘違いしている人も多く、同センターは「事前に要項を確認してほしい」と訴えている。

　県はオミクロン株の感染拡大に伴い、８日から県民対象の無料検査場を順次開設。県北も１２日までに県委託のＰＣＲ検査センター延岡店（祇園町）で開始したほか、延岡医薬、みみつ調剤薬局（日向市）、椎葉村国民健康保険病院では抗原定性検査をスタートした。

　無料検査の対象となるのは感染に不安を感じる県民で、「無症状」であることが前提。これまでに新型コロナワクチンを接種しているかどうかは問わない。

　県北のうち、ＰＣＲ検査センター延岡店はインターネットのみの予約制で、電話での問い合わせ窓口は設けていない。一方、その他の延岡医薬などは、事前に電話で混雑状況などを問い合わせることができるようになっている。

　このため、県が無料検査開始に当たり、対象会場の電話番号を公表したところ、延岡医薬に問い合わせが集中。「ＰＣＲ検査センターの予約がしたい」「熱があるので診てもらいたい」など、対応できない内容も多く含まれ、症状があるにもかかわらず問い合わせなしで直接来所する市民もいて、現場の負担が急増している。

　県は混乱が起きないよう、ホームページに無料検査制度の要項を想定問答（Ｑ＆Ａ）で掲載しているが、インターネット環境が整っていなかったり不慣れな高齢者などには十分に伝わっていないとみられる。

　延岡医薬は「こちらはＰＣＲ検査センターではないので、その予約には対応できません」と強調。検査の来所者には車や屋外で順番待ちをお願いしているといい、「症状がある場合は医療スタッフや周囲の方に感染する危険が生じるので、絶対に直接来所しないでください」と呼び掛けている。

◆相談は県のセンターへ

　無料検査の受け方が分からなかったり、症状があって不安で問い合わせ先が分からない場合は、県の新型コロナウイルス感染症受診・相談センター（電話０９８５・７８・５６７０、土日・祝日も２４時間対応）。