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稚アユ、県内外へ初出荷

本紙掲載日:2022-01-13
1面
出荷する元気な稚アユを次々といけすからすくい上げた(12日、日向市美々津町)

あゆの是則−日向市幸脇

 日向市幸脇の養殖業者「あゆの是則」(是則由員社長)で、人工ふ化させた稚アユの出荷が始まった。2月上旬まで続き、出荷量は約400万匹を見込む。県内のほか、大分県、熊本県、鹿児島県など県内外で養殖や放流用として使われる。

 稚アユの養殖は難しいとされるが、同社は全国でもトップクラスの業者として知られる。地下約40メートルからくみ上げた海水を利用し、耳川流域にある養殖場で稚アユを生産。門川、静岡産などの親魚から採った卵を9月上旬からふ化させ、約60日間で重さ0・4グラムまで育てた後、淡水の別の水槽に移し替え、約2週間の中間育成を経て、重さ約0・7グラム、体長5センチ程度に育ったものを出荷する。

 人工ふ化させた稚アユは天然より3カ月ほどサイクルが早いため、河川の漁解禁前に市場に出荷できるメリットがあるほか、天然資源保護の観点からも需要が高いという。

 出荷は、同市美々津町のいけすで昨年末から始まり、今月末のピークに向けて作業が進む。12日も早朝から、大分県佐伯市へ出荷する準備に追われた。スタッフは稚アユを専用の網でいけすから次々とすくい上げ、4トントラックの水槽へ120キロ(約18万匹)を移す作業を繰り返した。

 是則社長(72)は「生育は順調だが、コロナ禍の影響もあり、生産量、出荷量を抑えた。元気に成長する強い稚アユを生産し、業者の皆さんに届けたい。自然保護にも貢献できれば」と話した。

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