旅行業者ら体験ツアー

高千穂の魅力、より深く

◆高付加価値・旅行プログラム開発へ

　高千穂町は今年度、文化庁の補助事業を受けて町の歴史や文化を深く学び、少人数で夜神楽を鑑賞できるなど高付加価値で高単価の旅行プログラム開発に取り組んでいる。その体験ツアーが１２日、同町岩戸地区で旅行業者、メディア関係者向けに行われ、福岡や県内などから参加した８人が半日かけて町の歴史、文化、自然に触れた。

　参加者は天岩戸神社、天安河原、神楽面工房などを訪問。神社の神職や神楽面彫師らから天岩戸神話、伝統文化の担い手の思いを聞いた。また、ガイドの案内で世界農業遺産にも認定されている高千穂の自然を見学したほか、郷土料理を味わったり、夜神楽を鑑賞したりした。

　このうち、神楽の館では夜神楽の時に振る舞われる神楽うどんや煮しめ、かっぽ鶏などの郷土料理に舌鼓。また、同神社の佐藤永周宮司の解説を交えながら、天岩戸神楽「手力（たぢから）」「鈿女（うずめ）」「戸取（ととり）」「舞開（まいびらき）」を間近で鑑賞した。

　ツアー終了後、参加者との意見交換会があり、参加者は「完成度の高い旅行プログラム」「ターゲットや開催回数を絞れば成功すると思う」などと感想。また、「事前に情報を伝えておくとさらに付加価値が加わる」「もう少し地元の人と交流する場を持つといい」などの意見も出された。

　町は、参加者から旅行プログラムを実施する場合の意見や助言、町の文化観光に対する要望を聞いて今後の取り組みに活用する予定。町企画観光課の谷川祐一課長補佐は「参加事業者と連携しながら町の農業、暮らし、食文化などをより感じてもらえるプログラムを作り、提案していきたい」と話した。