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差別問題、正しく学び改善を

本紙掲載日:2022-01-27
8面
カルチャープラザのべおかで開かれた延岡市人権セミナー

延岡市人権セミナー

◆ヒューリアみえ・松村さん講演−

 人権問題を正しく理解し、差別や偏見の解消を図ろうと、延岡市人権セミナーが21日、同市本小路のカルチャープラザのべおかを主会場に一部オンラインで開かれた。公益財団法人反差別・人権研究所みえ(愛称・ヒューリアみえ)常務理事兼事務局長の松村元樹さんが「部落問題を軸に考える差別問題の1丁目1番地」と題し、差別問題を分かりやすく解説した。

 主催は市と市教育委員会、市人権啓発推進協議会。10月から月に1回開いてきたセミナーの締めくくり。この日は、オンライン参加者を含む市民、市職員ら約150人が聴講した。

 部落差別とは、かつて居住地や仕事、結婚など生活に関するすべてにおいて制限を受けた人たちが住まわされていた「被差別部落」に起源を持つ人への差別問題を指す。

 冒頭、松村さんはコロナ患者への誹謗(ひぼう)中傷コメントなどを引用し、インターネットを介した悪質な部落差別行為を紹介。「当事者に差別を受けるいわれはない」とした上で〃社会的多数派〃という属性の優位性に言及した。

 同性愛者やトランスジェンダーといった〃社会的少数派〃とされる属性と対比し、「私の外見や声、名前だけで男性と判断した人はすでに偏見を持っている」と指摘。「差別の根源は正しい知識を持たないことで生まれる無自覚の偏見」として教育の重要性を呼び掛けた。

 市職員の猪狩英次さん(58)は「偶然、生まれ持った属性で自分がどれだけ恩恵を受けてきたのか気付いた。周囲も『自分と同じ』という前提ではなく、違う個性の持ち主も『当然いる』と認識を改めなければ」と感想。

 松村さんは「人は誰しも社会から偏見を持たされて育つため、無関心でいられても無関係ではいられないのが差別問題。知識を正しく学び、社会全体を改善する働き掛けが重要」と話していた。

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