オミクロン亜種「ＢＡ・２系統」１３人を確認

より強い感染力−知事、危機感

　県は２３日、県内で初めて、オミクロン株の亜種「ＢＡ・２系統」の感染者１３人を確認したと発表した。延岡、日向など５保健所管内で確認されており、県は「県内でも市中感染が広がり、置き換わりが進んでいる」と警戒を呼び掛けている。

　河野知事は「より感染力の強いＢＡ・２系統を確認したことで、第６波の収束が見えないまま、次なる感染拡大、第７波の入り口が見えつつある」と危機感をあらわにした。

　県感染症対策室によると、オミクロン株ＢＡ・２系統は、現在主流のオミクロン株ＢＡ・１系統に比べ、世代時間（感染拡大速度）が１５％短く、実行再生産数（感染力）は２６％高く、感染力がより強いとされている。

　県は今年に入り、感染者の検体から、ウイルス量が多いなどの条件で検体を抽出し、県衛生環境研究所でゲノム解析を実施。コロナ感染の検査を優先するため解析は週１回実施し、これまでに検査した３３２検体ではＢＡ・２系統は未確認だった。

　２３日の検査は、今月８日から１４日の感染患者のうち、県内７保健所管内から抽出した４５検体を解析。１３検体がＢＡ・２系統と確認された。

　１３検体は延岡、日向、高鍋、小林、日南保健所管内で確認された感染患者のものだったという。

　県感染症対策室は「現在の感染状況への影響は不明だが、これまでの傾向から急速に置き換わりが進む可能性はある。ＢＡ・２への置換による再拡大のリスクを十分に考えていただきたい」と、改めて基本的な感染防止対策の徹底を呼び掛けた。