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釣り糸捨てないで

本紙掲載日:2022-03-31
1面
釣り用の籠が絡まったウミアイサの雄。沖合に飛び去った

ウミアイサにからまる

 延岡市の大瀬川河口で30日、体に釣り用の道具が絡まった水鳥のウミアイサが見つかった。釣り糸や釣り針による野鳥への被害は毎年のように起きており、日本野鳥の会県支部は「絶対に捨てないで」と強く呼び掛けている。

 ウミアイサは全長55センチの大型のカモ類。冬鳥として県内の河口や海岸に渡って来るが数は少ない。大瀬川河口では昨年12月ごろから複数の渡来が確認されていた。

 釣りの道具が絡まっていたのは観察記録の少ない成鳥の雄。雌と2羽で飛ぶ様子を撮影したところ、まき餌を入れる籠のような物が胸の下にぶら下がっているのが確認された。

 小魚を食べるウミアイサなどの水鳥は潜って餌を探すため、水辺に残された糸に引っかかりやすい。羽や足が釣り糸に絡まると身動きができず、餌が取れずに衰弱死することもある。

 野鳥の会県支部の岩切久支部長は「釣り場に釣り糸などがたくさん捨てられているのをよく目にする。野鳥は釣り糸が絡まるとたちまち命に関わる。必ず持ち帰ってほしい」と話していた。

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