寺マルシェ春の休日楽しむ

慈眼禅寺・花祭りに合わせ開催−延岡市北方町

　お釈迦（しゃか）様の誕生日を祝う「花祭り」に合わせ、延岡市北方町曽木の慈眼禅寺（久峩正経住職）で３日、町内外の店を集めた「寺マルシェ」が開かれ、多くの来場者でにぎわった。

　若い世代にも花祭りを広く知ってもらうとともに、新型コロナウイルスの影響でイベント中止が相次ぐ中、「地域の方へ少しでも元気を出してもらいたい」と同寺の久峩一晋副住職（３４）が、初開催の昨年に続き企画。寺の境内には雑貨や陶器、弁当、地元産の茶、菓子など約１５店の露店や移動販売車が並んだ。

　本堂前には花祭りの風習である、色とりどりの草花で飾り付けされた花御堂（はなみどう）を設置。来場者はその中に立つ、お釈迦様が誕生した時の姿を表した小さな像に、ひしゃくで甘茶をかけて「お誕生日おめでとうございます」と手を合わせた。

　この日は穏やかな晴天に恵まれ、子ども連れの家族やカップル、若者からお年寄りのグループまで続々と来場。満開を迎えた境内のしだれ桜も楽しみながら、のんびりと春の休日を満喫していた。

　花祭りは本来４月８日だが、慈眼禅寺では長らく毎年４月の第１日曜に、戦没者慰霊も兼ねた地域行事として開催。一昔前までは演芸大会や相撲などもあってにぎわっていたという。

　久峩副住職は「新型コロナは恐ろしいですが、こうした状況が長引く中に不安や孤独を抱えている方たちはもっと大変な思いをされているのではないでしょうか。少しでも元気付けられたら」と祈っていた。